週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.2.2-20.2.8)
似たような話の多い界隈だけに、定点観測しているからこそ見える「そんなことになったの?」事案も多いのですが、今週はその傾向顕著ウィーク(勝手に命名)でしたね。
■極悪非道みたいな字面の、たとえばこの記事。
20/2/6に伝えられたこの話、逮捕時の20/1/16にはもう少しだけ、詳しく書かれていました。
これによると人材派遣会社の「元社員の男」と、ネパール国籍女性も、行政書士とともに逮捕されていたようなので、起訴が遅れているだけなのか、それとも不起訴になったのか、その辺は現時点では分かりません。ただ、個人的にハイみんな注目! って指をさしたいのはそこではありません。逮捕に至った理由です。
府警が勤務実態を確認したところ、ホームページの運営管理業務に携わった実態はなく、実際は配膳や布団の上げ下ろしなど在留資格が認められていない業務に従事していたという。
いやいやいや。それ、ふつうにみんなやってますやん。
……って思ってしまうんですよ。もちろんね、違法ですからね、そんなことはあってはならないことですよ? だけど、本気でこのレベルの行為を咎め出したらキリがないことは、ほかならぬ司法関係者が承知しているはずなのです。
いいや、そんなことはないって言われてもなあ、パチンコ屋の三店方式とか風呂場の自由恋愛とか、ああそうか、技能実習制度とは海外への技術移転を目的としています。って言えばよかったですか。なにしろ共通して思うのは、それちょっと恣意的な運用すぎない? という疑問。
もちろん、なんちゃって技人国ビザは今後許容しません、特定技能ビザへ早々に切り替えるべし。という警告事例なのだとすれば、その線で統一してもらうほうがいいとは思うのですが。
法に照らした運用をした、というだけで俺もこんなに驚きたくはないんだ。
■ついでに確認しておきたい
技能実習であればベトナム国内に落ちる利権の行き先が明確だったものを、特定技能に切り替えてしまったらどうなるんですか、なくなるんですか、それは困りますね。
というような先方の政治的な理由で特定技能の仕組みが浸透しないベトナムにおいて、モスフードサービスが果敢に取り組む、という話ですよね。
そこはまあいい。
日本政府が折れる形で、技能実習と同じ要領で特定技能もやってください、ってことになるみたい。という噂が耳に入ってきていますから、記事にある「プログラム修了者が日本に渡航するに当たってはベトナムの送り出し機関に30万~40万円の手数料を支払う」ってフレーズにそこまで驚きはしませんでしたけど、え、念のために確認ですが、それってもう公然のこと?
特定技能という制度を新設した際のうたい文句として「技能実習では来日希望者が負担していた手数料がいらなくなります」って建前は現地国それぞれの事情にあわせた形で運用する、みたいな、より大きな建前に吸収されて形骸化していくのですか。
■とはいえ今週もっとも義憤に駆られたニュースはこれ。
昨年7月に東京新聞が記事化して、このときそれなりに反応があった世間も(もちろん私自身を含め)他人事だからすっかり忘れてしまっていたわけですけれど。
あんまりウルサイことを言って、生殺与奪の権利を握られている法機関に睨まれたら……みたいな状況下で、なんとか打開しようとする姿勢は応援したいと思うのです。思うだけで具体的に何をするわけでもないけれど。ああ、まあ、強いていうなら、見かけたらこうして記録するぐらいですか。
■時系列を追っていることで「ふふ……」ってなったトピック、もうひとつ
■珍しいものを見たせいで、言わずもがなのツイートが漏れた2件