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ひとり足りない? と思ったけどそんなことはありませんでした/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.11.13-22.11.19)

比較的大きなニュースが多かった今週ですが、個人的に目についたのは速報以降の情報があまり出てきていない、下記の件。

入管といえば悪。のイメージが決定的になったのは2021年3月、がファイナルアンサーでもういいですよね。
あれも悲運の主人公たるウィシュマ・サンダマリさんの「若い」「女性」「報道で何度も使われた目を引くビジュアル」がなければ浸透しなかった、そう思うんです。誰もそこに触れないことが、ルッキズムというやつで。

イタリア人の男性という今般のニュースにおいて、「国籍」属性がわれわれの琴線に触れるのも、なんらかの国民性の現れな気がするわけですけれど、それはそうと「入管庁によると、2007年以降、入管施設で死亡したのは18人。うち自殺とみられるのは今回を含め6人に上る」という数字。
 2007年2月 ガーナ人
 2008年1月 インド人*
 2009年3月 中国人*
 2010年2月 ブラジル人*
 2010年3月 ガーナ人
 2010年4月 韓国人*
 2010年4月 フィリピン人
 2010年12月 フィリピン人
 2013年10月 ロヒンギャ
 2014年3月 イラン人
 2014年3月 カメルーン人
 2014年11月 スリランカ人
 2017年3月 ベトナム人
 2018年4月 インド人*
 2019年6月 ナイジェリア人
 2021年3月 スリランカ人
ここまでが東京弁護士会の表からまとめたもので、新たに
 2022年11月 イタリア人*
が加わると……あれ。数字が合わない。
もう1名、亡くなっているんですかね? この1年のうちに?
都合の悪い統計は破棄してヨシ。って現政権しぐさがこんなところにも。は、たぶん考え過ぎなので数字のズレについて東京弁護士会が追求してくれることを期待しています(=ひとまかせ)。


と書いたあとに


こちらで欠落が判明しました。
 2018年11月 中国人


■今週も注目されている円安ニュース

ここまで上のような記事が主流のなか、そろそろ日本人が出稼ぎに行く時代の到来を告げる記事も出回るようになってまいりまして。

あと、記録しておきたいのがミャンマーの話。

この「円安だから来日志望者が減るっていうけど」「ミャンマーのひとは来たがっています」記事。
クーデターによる軍事体制をまるっと無視しているところがべらぼうだと個人的には思うわけですけれど(取材先として顔出しをしている団体、「世界中から総スカンくらってる今がミャンマー人材を受け入れるチャンス」ってプレスリリース出したところですからね)
朝日新聞GLOBE「ミャンマーで収監の久保田徹さん釈放 背景にミャンマー軍の苦しい事情、宇田氏が分析」にいわく

日本との関係で言えば、17日の国営・英字紙に、日本が「ミャンマーからの労働者224人を受け入れたい("demand")」という記事がでていました。
日本ミャンマー協会の関係者が最近、ミャンマー入りしているという未確認情報もありました。ミャンマー軍との間で、なんらかの話し合いが直接もたれていたのではないかと思います。
日本側は「労働者を確保したい」、ミャンマー側は「労働者が得た賃金から税金を取りたい」という思惑が透けて見えます。それほどミャンマー側は経済的に追いつめられていると思います。

太字は引用者

あーなるほど。日本ミャンマー協会と現政権与党のパイプについては界隈では常識ですので、さもありなん。という感想。

■なお、人手が足りない危機感を本邦は身に染みているのか。という命題があって

中国とベトナム国籍の留学生3人を法定上限の週28時間を超えて違法に働かせた疑い

カナダが週20時間の上限を撤廃したのはもう背に腹はかえられない、人手不足が喫緊の課題だから。って判断したから、というニュースは1ヵ月前に当欄でもとりあげた通りで、遵法精神はエラい。
エラいんだけど、たびたび書いていることですけどね、法律とか道徳なんか閣議決定でいくらでも簡単に変えられる国じゃないですか。変えればいいんじゃないんですか、週28時間をたとえば週50時間に。
それは「留学」って名目と異なるだろう、って言うなら「就労」って切り替える方法を作ればいいし、既に特定技能という就労用の在留資格を作ったんだから適切に対応すれば? 得意じゃないですか、そういうコジツケ。

30年も住んでるひとを捕まえてほーら、この悪い奴。ってさらしあげるひまがあるなら、なんかやりようがあるだろう。って思うんです。

子どもが日本国籍を得てから何年たっていても、取得した時までさかのぼって喪失させる―。当事者が被る重大な不利益を顧みない扱いが、法の明文によって固定化されかねない。
民法の見直しと合わせて政府が今国会に提出した国籍法の改定案だ

いやー。そういうことじゃないんだよ。そもそも子どもの国籍を剥奪して無国籍の人間を世界に送り出して、誰が得をするんだね?

■今週のその他ニュース

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