見出し画像

週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.5.31-20.6.6)

鈴岸ゆういち

そもそも自分の仕事に関係するから。って始めたキュレーションですけど、ひょっとして俺たちの社会全体に関係してるんじゃ？ って思うようになった外国人就労関連ニュースまとめ、今号でvol.40ですおはようございます。

■ふつうのニュースと思ってたら変なことになってるやつ

技能実習生同士の争いで死者まで出てしまい、という登場人物のみちょっと特異なニュース。だったはずが。

被告の弁護士は１日夜、報道機関に向けて文書を発表。
...県警はゴ被告を死体遺棄容疑で逮捕する5月11日以前に6夜にわたってホテルに宿泊させて監視下に置き、長時間の取り調べをするなど違法な捜査があったとして弁護側が準抗告を申し立て、26日に地裁がこれを認めた。
その後、県警は27日にゴ容疑者を殺人容疑で再逮捕。28日の送検後に地検は殺人容疑で勾留請求したが却下された。地検は29日に死体遺棄罪で起訴し、裁判官の職権で勾留が認められた。
弁護側によると、地検は準抗告したが、地裁は「先行手続きの違法性が重大で、違法な再逮捕として許されないといわざるを得ない」と指摘し、棄却

なぜそうなった。

■ベトナムに対する本邦の態度が悪いと思う件

ベトナムからの留学生らを主に支援する神戸市のNPO法人...理事は、「新型コロナによる留学生や実習生らの困窮は深刻で、2、3カ月も待てる余裕はない。迅速に支給できる仕組みを考える必要がある」

国籍問わず、「呼んだから来てくれた」人たちへの対応として合ってます？ と言いたくなるのですが、なかでもベトナム国籍の人がたくさん居るので目立っているだけ、もともとどこの国にも等しく態度は悪い……と言えなくはない。

でもねえ。

午前8時ごろ、成田空港のベトナム航空のカウンター前には、帰国を希望する多くのベトナム人が列を作った。搭乗する343人のうち、約130人がITエンジニア、約200人がベトナム大使館が支援する生活困窮者たちだった。
...大使館には、帰国したいという電話やメールが殺到している。大使館によると、1万人以上が帰国を希望しているという。ベトナム航空は6月末まで定期便の運航を停止しているため、大使館が3月から臨時便を飛ばし、妊婦や病人、高齢者など緊急性の高い人を優先的に帰国させている

帰りたい、って人たちに格別の便宜を(日本側が)図っているようには見えないけど、そこもまあいいとしましょうよ。
それでも、どうしても引っかかるのが

政府は感染状況が日本と同程度の国と交渉して互いの出入国の条件を決める。月内にもタイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国と協議に入り、合意すれば夏にも緩和する。

これ。ベトナムは東南アジアに留まらず、今回の疫病禍における体制構築では世界規模で最も成功した国のうちのひとつじゃないですか。「感染状況が日本と同程度」という、実に上からなモノイイ、単純に礼を失していないか。
それと同じ感覚が、富山の技能実習生同士の事件における「逮捕する前に6夜にわたってホテルに宿泊させて」という県警の行動の下地にありませんか。

●

USで燃え広がっているBlack Lives Matter案件の記事についているコメントとか読んでると「日本には人種差別がないから」ってひとがけっこうな数、存在して、おいおい。って思うんですよね。

■気を取り直して、いつもお伝えしているようなニュースを。

これね、3月31日に

困った。ああ困った。って言ってるだけだったところから2か月でちょっとは良い方向に進んだってことなので。いいですな。
もうひとつ北海道から。

ビジネスマッチングって意味ではこれもwin-winに見えるんですけど、個人的にどうにも気になるのが、雇用サイドの「低賃金じゃないと死んじゃう」ムーブ。
移民どもが賃上げを要求してきやがったからさあ、囚人におまえらの代わりやらせることにしたんで、おまえらはもう要らない、って言ってやったんだぜ。って事例が世界にはあってですね、14農協の話は互恵だと思うけど、こっちは搾取の話じゃないですか？ 違いますよね？ 私が勘ぐってるだけですよね？ だって障害者は囚人じゃないですもんね。

■ニュースを拾っていてよく思うのが、それ本来なら行政がやるべきことでは。NPO法人が善意に基づいて担うって現状は、ひとくちに言うと「解せぬ」。

江戸川区議会議員にリトル・インディアの「中のひと」が選出されたのは2019年4月のことで、行政の在り方を変えるには時間がかかるものですから、この記事のような話は当分聞こえてくるのでしょうが……。

オーストラリア留学中にパンデミックに遭遇した、日本で18年暮らすインド人夫妻の娘のケース。慌てて日本に戻るも、空港で入国を拒否されてしまった。日本は4月2日から、感染拡大している国を中心に外国人の入国を原則として拒否するようになったのだ。娘は日本の文化で育ち、生活の基盤も日本だが、永住権を取っておらず「外国人」という扱いだった。引き返そうにも、その頃オーストラリアはすでに外国人の入国を禁じていた。宙に浮いた状態で呆然とする娘に、入管職員はこう言い放ったという。
「インド人なんだから、インドに帰ればいいでしょう」

行政が変わるのを待ってられんわ。って思うのは、こういう話を目にしたとき、ではある。

■入管といえば、俺は忘れてないから。と言うためにリンク貼っておこう。

■なんにせよ、冒頭で書いた通り「ひとごとかと思っていたら自分にも関係のある話だった」のオンパレードです。


いいなと思ったら応援しよう！