海外サイトは白毛馬のクラシック勝利をどう伝えたか
ウマ娘をきっかけに競馬やってみた。ってひとにとっての2021桜花賞は
「白い! キレイ! 強い!」
ってところだったかと思うんですが、競馬歴長い人間としては盛り上がらないわけにもいかず、無駄に海外ニュースを拾ってまわったりして。せっかくなので雰囲気おすそわけ。
日本
USA (2歳牝馬チャンピオンのソダシが無敗で桜花賞を制し、日本競馬クラシックシーズンの幕が上がった)
レイ・ポーリックは日本でもおなじみの競馬ジャーナリストで、彼の媒体で書かれている内容はまさに日本の競馬メディアが書くような内容です。そういう意味では俺が求めている海外ノリが物足りない。
USA (クロフネ産駒ソダシがクラシック戴冠)
ソダシの牝系についての記載がありますね。4代母-ええと、人間でいうと曾祖母のお母さん、高祖母-がまずまずの活躍馬だったことなど、そういえばそうだったな、という情報。
香港 (ソダシが5戦5勝で日本の1000ギニーをレコード勝利)
お父さんの名前がKurofaneってなってますけど、まあ気にするところではない。それよりソダシ母、ブチコのことをa popular coloured mare(カラードの人気牝馬)と表現しているところにへー。ってなりました。カラードって「有色」を指すことばだと思っていたので、白もカラードって言うのか。
UK (アイドルホースのソダシが日本の1000ギニーを制する夢のような結末)
香港の記事と全く同じGreat white wonder(偉大なる白き驚き、ぐらい?)という見出しを使っていることに驚きますけど(ボブ・ディランの海賊版にそういう固有名詞があるといえばある)別のひとの手になるテキストです。というか、このライターの書いている内容が個人的にはいちばんしっくりきましたね。
カナダ (レイチェル・ブラックモアとソダシ。2つの国で2つの偉業)
グランドナショナルという、英国においてはダービーよりもよほど国民的祭典と呼ぶにふさわしい障害競走の大レースを史上初めて女性ジョッキーが勝った、というニュースとセットでソダシの勝利が伝えられています。
白毛がレアなことをa horse of a different color(まったく別の何か)という成句を使って書いているのですが、それってシェイクスピアの『十二夜』起源とされている定型句でね、日本の競馬ファンにとって『十二夜』といえばシーザリオ、エピファネイア母子……うん、とりたてて関係ない。だけど競馬をやっていると、そんな「あ!」って回路がつながる機会がそこかしこにあって、それが文化としての厚みだと思うの。
オーストラリア (純白のソダシ、桜花賞も無傷で通過)
後半なぜかメイケイエールへの言及が増えて、そうかオーストラリア競馬界にとっては自国に繋養されていた種牡馬ミッキーアイルの子という位置づけか。って。
ニュージーランド (白毛の牝馬がG1街道を駆ける)
お母さんであるブチコがアパルーサ(という乗馬ではポピュラーな馬の品種があるんですが)みたいなブチ模様の馬であることや、KITという遺伝子変異が白毛の原因として知られていることなどへの言及あり。ガチのテキストという意味では今回最も秀逸だったのはこの記事かも。
オランダ (白毛のソダシがレコードで桜花賞制覇)
オランダ? オランダの競馬ニュースサイト? そんなのがあるんですか。初めて見たのですが、よく考えれば馬術競技が盛んなお国柄だった。なるほどそっち側からの関心か。
チリ (アルゼンチン産バラダセール牝駒の前にソダシの壁)
うん、ほかの国の見出しとの差が良い。仲いいとも思えないけど、やっぱり気になるんでしょうな、チリとアルゼンチン。
PHOTO: 2020/12/13 阪神ジュベナイルフィリーズ ソダシ CC BY-SA 3.0
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