法務大臣ウォッチャー、盛り上がる/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.4.2-23.4.8)
年頭所感の4代読み比べ。なんてニッチなことをやってみたり法務大臣の動向については一家言あるんですよ私。
すなわち今週個人的に最も盛り上がったのは存在感が希薄な現任法務大臣がなんか言った件。
動画を見せるな。というクレーマーっぽいこの発言、前段には弁護団による動画公開があるわけですが……
動画見せろ/見せない談義において、私の意見は一貫しています。
映画『セブン』(1995)でブラッド・ピットが見てはいけなかったものを見てしまうシーン、あれと同じだからやめときなよ。
ただ、経緯をあらためて確認しておきますが
(1) 事件発覚からずっと加害者たる名古屋入管、その上部組織としての法務省が開示を拒んできた。
(2) 295時間ある動画のうち5時間だけはしぶしぶ「……見ていいよ」ってなった。
(3) 見ていいとは言ったけど、それを一般の目に触れるところまで拡散していいとは言ってない。
ずいぶんウィットに富んだコメントですし、よく考えたいですね。
ちなみに、こうした政権しぐさへの援護射撃記事は定期的に掲載されますが
「入管は必要な仕事をやってるだけだ」論旨を仮に丸呑みしても「だから命を落としても当然、ってなります?」と聞かれたらそこで投了では。
直接関係ないものの間接的にはつながっている新法のニュースも以下紹介します。
■もう1件、ネットの片隅で話題になっていた話
これ、指紋押捺義務の歴史を前提に持っているかどうかでニュースの読み方が変わってくるやつ。
・そもそも日本領土だった朝鮮半島や台湾の出身者が日本に住んでいた
・戦争に敗れ、それら植民地を手放したとて彼らが「日本人」だった過去を否定できる理路は存在しませんね
・彼らを在日と呼ぶ心性が「外国人は指紋を登録せよ」という法律につながり(1955年)、紆余曲折の末、さすがにそれはナイわ、って廃止に(2000年4月1日以降)
現状の入管法では、上記の流れではなくテロ防止の文脈で、外国人が入国する際に指紋と顔写真の登録は義務付けられていますが、そこにおいても「特別永住者」は対象外です。望むと望まざるとにかかわらず「日本人にされた」父祖を持つから。
これが「特別永住者証の提示」ではなく「指紋を押せ」だったらもっと大騒ぎになることぐらいは想像できるじゃないですか。つまり俺を犯罪者扱いするんだな-そういうリアクションを呼ぶ行為なこと、今回の当該銀行の対応がダメ説を私が採る理由は、そんな感じです。
以下はおまけ。韓国における外国人関連ニュースは目を離せない
そしてキミらは本当にスラダン好きやな。
■今週のその他ニュース。なんかいっぱい
■スポーツ紙2題
■国家試験の合否が発表されたのでいろいろな報道があるんですけど
うっかり見過ごしそうになりましたが、北國新聞の「特定技能実習生」なる珍見出しは記念に保存せざるをえない。下記、信濃毎日新聞にある通り「特定技能」と「技能実習」は別です。別なの!
サムネイルは三度目の『セブン』(1995)