週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.3.29-20.4.4)
たしかに連日続くトピックに飽き飽きしてたけど、だからってそんなアクセントを求めたことなんかないだろ! え、おい! と言いたくなった1週間でしたがみなさまおかわりありませんか。サムネは大島弓子『綿の国星★18 お月様の糞』(1984年ララ2月号)からですが、本文とはまったく関係ございません。
■先週も先々週もこんな感じのニュース紹介しましたよね?
一見この文脈とは何の関係もない、東洋水産の子会社フレッシュダイナーという企業の紹介記事が専門紙に載っていたのですが
同工場の約500人の従業員のうち約350人がアジアから来た技能実習生や派遣人材の外国人だ。24時間、365日稼働、年間7200万食の生産を支えている
技能実習生への依存度の高さとか、技術移転という制度本来の主旨と「工場への派遣」がどういう理屈でつながっているんだろう、とか、ついそういう目で読んでしまう自分に気が付くなどしました。
■昨春施行以降の定番「特定技能で来るひとが増えません」
これまでは「特定技能という制度が不振だ」が報道内容の主流だったのですが、なぜなのか。という理由への言及も増えてきてはいます。
・現地での新制度周知不足
・技能実習スキームで確立済の利権構造を変更する理由が誰にもない
・雇用する日本企業の言い分「転職の自由がある特定技能だと、せっかく苦労して呼んでから転職されてしまうかもしれない」という不安
3番目が表に出てきたのは本当にこの数週間で、個人的には、奴隷制度廃止を嫌がった農場主と遠縁なのかな。ぐらいの感想なのですが、それでも本音が言語化されるようになったのは進歩では(懸命の「よかった探し」)。
■これも定番中の定番「入管」
なんなんですかね、人手不足って言ってみたり自分の国に帰れって言ってみたり……という自分の感想にすら飽きています。しかし、せめてニュースになるたびに紹介し続けようと決めているので。
■おちんぎんの話でもしますか
1本目のNHKの記事にいわく、
日本で外国人材の受け入れを拡大する制度が始まって、1日で1年となりますが、人材を送り出す東南アジアの国々では、給与の高さなどから、行き先として日本よりも韓国の人気が高まっているとする報告をJICA=国際協力機構がまとめました
JICAホームページにそれらしいレポートがないので、まだなんとも言えないなあ。と思ったのですが、強いて近い話を探せば、去る1月16日に開催されたイベントでしょうか。
「技能実習生等を送り出す途上国」と「技能実習生等を受け入れる日本」がともに繁栄する道筋を-外国人材の各国制度をとりまく状況と課題に関するフォーラム
という長い名前のフォーラムでそれっぽい「中間報告」がされています。下図はその1ページをご参考までに(全文はこちら)
そもそも韓国における同様の制度を真似て始めたのが特定技能で。ということも、タイミング来れば紹介したいですね。
■なにしろ大人たちには期待できないので、子どもたちが真っ当なことを言う時代
■当事者が生きている世界が決して単純なものじゃない。ってことも、たとえばこの記事中の若者が教えてくれます。登録不要だし無料だし、もっと多くのひとに読まれていい内容なので、ぜひ。
■今週最後は、昨秋ひとしきり(私が)盛り上がったニュースの最新情報が謎だった、という話。当時のニュースは既にリンク切れにつき、ツイート後半にある文字から報道の様子をお察しください。
2019年11月7日「留学生に長時間労働 容疑の経営者ら5人逮捕 旭川日本語学校」
11月9日「留学生のバイト給与、日本語学校通し管理 不法就労隠す目的か」「留学生、週50時間労働も 旭川日本語学校 法定の2倍近く」
11月18日「留学生 タダ働き3カ月 Uberジャパン絶望の現場」
そして4か月、2020年3月31日。
不起訴処分とした。地検は処分理由を明らかにしていない
いや、あんなに盛り上がったのに?