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技能実習悪玉論はいつ成立したか(=結論出せず)/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.10.9-22.10.15)

2019年9月1日から毎週更新しているので、たとえば毎日新聞の(有料)記事(の無料部分だけ)を目にしたネット界隈が「技能実習制度なんてとっとと廃止すべきだと俺たちは何度も言ってる」「送り出し国のベトナムもようやく理解が追い付いたか」「日本は楽園ではない、そりゃそうだよ」みたいになっているのを見るにつけ、2019年9月、技能実習というワードですら浸透していなかったあの頃から、日本は変化したんだな。と思うわけ。

そこでGoogleトレンドの「技能実習」を2004年以降で見るとこんな感じ。

2018年の11月に跳ね上がっているのですが、これは特定技能を2019年4月から新たに始めるよ、って公表されたタイミングです。
たしかに納得いくんだけど、自分が言いたかったこととは微妙にズレているので苦笑い。言いたかったこと、とはつまり「日本人だって技能実習制度のネガティブな話を認識したのは最近だから」「ベトナム人遅っ、とか言うシーンじゃないよ」なんですが。
2019年9月からの150回以上の更新をていねいに振り返る気力も特にないので、ざっと見返した印象論だけメモしておくと、2020年の12月ぐらいから、ようやく認知が広がった気がしているんです。ソースは俺。

■なーんだ。って思いましたか。俺もです。

でもね、つい先日の「技能実習生に無免許運転を指示」ってニュースを見て即座に2020年5月の類例を思い出せるぐらいには毎週更新の積み重ねはある。という自己満足だけで更新を続けている節、無きにしも非ず。

■今週のその他ニュース

……あえて混ぜてみたのですが、ゲリラ豪雨のなか、落雷で亡くなったタイ人とスリランカ人の話も、最初は技能実習生か。って思ったんですよね。これもソースは俺。

■そういえば技能実習制度の未来について、いまのところ信濃毎日新聞の勇み足っぽくなっている報道が。

ただ、大筋は「技能実習はやめて特定技能に収斂する流れ」になっていると、この数か月の報道を見ていて感じるところでもあり、行方に注目しましょう。

■その他ニュース続き

国連の自由権規約人権委員会で日本政府のヒアリングがおこなわれている件はいまのところ動画しかないのですが、さすがにどこかのメディアが詳細報じてくれると思いたいです。

■例によってお隣の話を最後に追加

この記事の元ネタになっているOECDの「International Migration Outlook 2022」ぜんぶで400ページあるんですけど、さすがにデータに説得力あって面白いです。たとえば世界各国の外国人労働者が2019~2021の3年の間でどう推移しているか。

p.27 "Figure1.5 Inflows of temporary labour migrants"

9つの国地域で上段右のオーストラリア、中段真ん中の日本が特にエゲツナイことになってんな、とか一目瞭然ですよね。なるほどオーストラリアが本腰入れるのも道理。

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