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信濃毎日新聞「五色のメビウス」完結/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.7.11-21.7.17)

たとえばニュースでスマートフォン用のアプリが紹介されていたら、どれどれ。って見に行くじゃないですか。

・相談窓口につなぐことができるアプリ
・ベトナム語や中国語など10か国語で対応
・相談窓口の電話番号が紹介され、ボタンを押すだけでつながる
・新型コロナウイルスの感染状況や、気象や災害に関する情報云々をそれぞれの母国語で随時、通知

うん? それアプリの必然性ある? 電話では?
ってまずは思うわけですが、アプリを見てから感想を言おう。ってなって……見つからないんですけど(イマココ)。

■朝日新聞の記事は出典までさかのぼることができました

政府や自治体からの情報がベトナム語での案内が少なくて不安、ってそりゃまあそう答えるわな。ってアンケート結果をもとに、多言語での情報公開を。あるいは「やさしい日本語」の活用を。
って主張で(最初のNHKニュースにもいえることですが)掲示物や郵送物やアプリに労力をかけるなら、外国人コミュニティと公的機関をつなぐあるいはの形成に知恵を使うべきではないか、と個人的には思うんですけど。

■外国人はヒトではない。って思っているから直接コンタクトをとらなくていい方法を考えるハメになっているのではないか

映画『東京クルド』(2021)、例によって本編見ないままに情報量だけが増えているパターンなんですけど、同じように2年間ずっと周辺情報ばかり摂取してきていて、ついに見ることができた作品もあるので、縁があれば、かなあ。もちろん「今見るべき作品」なんだろうけど。

■ただね、ずっと日本はこんな感じだったのがいよいよ表面化したからあなたに届いた。って話だとも思うのです(=「今見るべき」って力む必要はないのでは、と言いたい)

細かいことですが、ウィシュマさんの診察結果について。

ウィシュマさんを診察した消化器内科医と面会した。遺族らによると、医師は「入管から消化器官に限定して診察を依頼され、ほぼ異常なしと診断した。その後の責任は入管側にある」と話した

という主旨の報道が多数派のなか、以下のNHKの伝え方は少しニュアンスが異なっています。

弁護団によりますと、医師は2月5日の診療記録に薬を「内服できないのであれば点滴、入院」などと記していましたが、面会の中で「記述は診療の途中段階のもので、この後、内視鏡検査をした結果異常はないと判断し入院などの指示はしなかった」などと説明したということです。
また、管理局からは消化管に関してのみ診察するよう依頼されたと説明したということです。

とにかく入管がダメだった。とする声が大勢を占めるなか、報道もそうした世論を後押しする材料を継ぎ足しがちなんですよね。
でもNHKの伝え方だと、特別に入管がダメだった要素は見出しづらい。
という感想に至って、いかに自分も「入管ダメ材料」を潜在的に待っているか、に気がつくのでした。
なお、この期に及んで最終報告書はいつできる? さあ……ナルハヤでやってますんで。ってサラリーマン俺みたいなことを言っている入管、なんだか身につまされるのでイヤです早く報告書仕上げて。

■信濃毎日新聞の長期連載「五色のメビウス」が堂々完結

半年以上の期間をかけ、全91本記事というボリュームで「日本人と外国人」というテーマを追った企画。まさに今語られるにふさわしい力作でした。

「多様性」が力に、「認め合う」社会に―。
日本国内に在留する外国人は20年末時点で288万人余、長野県内に住む外国人住民は3万5777人。
外国人と日本人が同じ目線の高さで手を携えれば、可能性は無限に広がる。
そのためにはまず、私たちが生きる地域で、外国人の労働者や生活者が置かれている厳しい現実を直視したい。仕事場や暮らしで、何に困っているのか、問い掛け、しっかり耳を傾けたい。それは巡り巡って、私たち日本社会のため、世界のためになるはずだ。

いやー、この連載を読むためだけに月額税込み330円を払っていたんですけど、ようやく解約できる。ってオイ、なんてことを言うんだ(しばらくの間は解約することを忘れています)。

■会計検査院からのお知らせ2本

技能実習制度のすべての責任を負っているはずの天下り機関がぜんぜん仕事しねえんだこれが。って話は界隈では何の新鮮味もないのですが、定期的に蒸し返されていいやつ。
あと、為すべきことを為していないといえば教育機関もだよ、というそれはそれで珍しくもない話が別途、取り上げられていたのも良いことなんですが、よく考えればこのモラルハザード、いいかげん真面目に取り組まないとダメなんですよね。

■最後はNETFLIX大坂なおみドキュメンタリーの話

As an immigrant in Japan, you are never really a full Japanese.
ってなおみ父が言うんですよ。
オータニサンがもてはやされた1週間だったので、なおさら思ったんですけど、「日本人」って概念を拡張しなければ大坂なおみという若き才能を同胞として扱えないところが、一部のひとたちが彼女を毛嫌いする理由なんだろうな。それにしても国籍も人種もそんなに大事ですか、へえ、そうなんだー(棒読み)。

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