町のヘソ
photo: Aleksandr Zykov by courtesy of flickr
ラオス、ルアンパパーンにはプーシーの丘なるランドマークがあって、だいたいが山に囲まれているのに丘って言われましても。みたいな感想なきにしもあらずだったのですが、今春訪問した際に同行していた現地ガイドもふたことめには丘リスペクト発言をしていたので、文字通り「拠り所」なんだな、という理解をしました。
東京にもそれっぽいランドマークはあって、江戸城という人為的建造物かと思いきや実は富士山。という都市論を昔読んだことがあるのですが(丸谷才一、山崎正和「日本の町」)そういうことを言い出したら奈良県下で育っていた幼少期の私は常に生駒山脈を背中にする気分があったし、ニューヨークに居たころは自由の女神はあっち。という感覚が無意識下に常にあったような。
昔の話というわけでもなく、今でもたとえば新潟市に出張すると何を意識するかというと信濃川とその向こうにある港で、とここまで書いてきて分かるのは、それ都市に暮らす人間の認識という主語の大きな話でもなんでもなく、俺個人の感覚の話では。