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転職されたら困るので(わかる)法律で縛ってください(わからない)/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.12.24-23.12.30)

突然良い企画が掲載された南日本新聞をホメるところからまいりましょう。

技能実習の(雇用側にとっての)最大のメリット、転職できない。という人権無視規範が来春にも改正される想定で、ただいま検討中ステータスが数か月続く昨今なのですが、出ていかれる地方関係者の声、基本的に「出ていかれたら困る」「法律で縛りをかけてくれ」「人権とか何のことでしょう」みたいな地獄絵図でしてね。
そんななかで、正面から地方側の声をー通りいっぺんでなくー紹介する記事は管見の限り、初でした。良い試み。

■地方メディアとしてはこの数年、本トピックで極めて高いプレゼンスを表し続けている信濃毎日新聞。今週もずっと追っていた話の、ひとまずはめでたい展開が報じられていて、感慨がありました。

日本で生まれ育ちながら在留資格を認められず、一時的に収容を解かれる「仮放免」での暮らしが続いてきた県内の高校3年の女子生徒(17)と中学3年の男子生徒(15)の姉弟に25日、法相の裁量による在留特別許可が出た。姉弟のタイ人の母親(50)は非正規入国した経緯があり、親にこうした「消極事情」がある場合、国は個別に総合考慮して判断するとしていた。個別の総合判断で子どもに在特が認められたことが明らかになった全国初のケースとみられる。
(中略)
今回、非正規入国した過去がある母親の在特付与は見送られた

2023.12.26

この話を最初に私が知ったのは以下の記事でした。

父親は20代で来日。1990年の入管難民法改正で、就業制限のない「定住者」の在留資格を得て県内の工場で働き、結婚して子ども2人をもうけた。口数は少なかったが、酔っぱらうと陽気になって姉弟の頬にキスをした。
母親は非正規に入国。姉弟は本来、定住者の在留資格を得られるはずだが、出生関連の書類手続きに不備があり、母親とともに在留資格がない「仮放免」の立場に置かれてきた。
父親は脳腫瘍を患い2020年秋に手術を受けた。一時は職場復帰したが昨春、再び倒れた。以来、月12万円余の傷病手当金が一家の収入の全てだったが、父親の死去で打ち切りに。公営住宅に住めるのも在留資格を持つ父親がいてこそだった。父親の死後、公営住宅からの退去が決まった。自治体からは弟と一緒に隣町の児童養護施設に入る提案があったが、父親を亡くした今、母親と離れたくない。「みんなで暮らしたい」

2023.2.19

対象は、改定法施行時までに、小中高校で教育を受け、日本での生活の継続を希望する子どもとその家族。親に
(1)不法入国・上陸
(2)偽造在留カード行使や偽装結婚
(3)薬物使用や売春
(4)懲役1年超の実刑
などの犯歴がある場合、許可の可否を判断する上で「消極事情」とする。ただ該当する場合も、個別の事情を総合的に考慮して許可をする場合もある―とした。
不法残留(超過滞在)を消極事情から外す一方、「不法入国・上陸」は「入管行政上、影響が大きいが、それのみで認めないということではない」と説明した

2023.8.5

親の因果が子に報い。ってそんなのは運用でなんとでもなりますよね、でもロクでもない事例ばかりが増える本邦の法執行機関に期待なんかできないじゃないですか。
……と思ってきた私ですら、今回の在留特別許可の発出はヨカッタと思います(子に出される在留資格が一律「留学」なのは、イヤガラセですか、とも思いますが)。

■今週のその他ニュース

これ↓もっと話題になってよくないですか。

あと、今週のこの見出しはヒドい大賞はこちらです

捕獲…パチンコを撃ち、アオサギを捕まえた男性2人を逮捕「さばいて食べた」 以前に近隣住民が通報、朝の河川敷で「楽しかった」…その後、なぜか不起訴に

「なぜか不起訴に」絶対要らんやろ

受け入れる私たちが変わらなければならない

■お隣の様子

この「強制出国」の話、知りませんでしたが、むしろ日本に気が合いそうなひとたちがたくさんいますよね。


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