週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.2.16-20.2.22)
新型コロナウイルスことCOVID-19、政治的な信条や社会的な地位に忖度することなく平等に襲い掛かる一点において畏敬の念を抱かざるをえない。天平の疫病大流行ってwikipediaにいわく「737年6月には疫病の蔓延によって朝廷の政務が停止される事態となり、国政を担っていた藤原四兄弟も全員が感染によって病死した」。1300年近く前のわれわれの右往左往がいまこそ身近に感じられる、そんな1週間でした。
■今週もっとも読みごたえがあった記事
無料部は他媒体も報じている事件のファクトを伝える内容ですが、
「兵士」と呼ばれ、フェイスブックで職探し
「bodoi(ボドイ)」。失踪したベトナム人技能実習生は、フェイスブック(FB)上で同胞からそう呼ばれている。本来の日本語訳は「兵士」だが、警察や入管当局から隠れて日々奮闘しているという意味も込められている。FB上では、「bodoi」に地名などを組み合わせたグループが多数存在する。登録者が1万人を超えるグループもあり、失踪者たちが求人情報を交換している。
以下続く独自記事部分は、ベトナム人の友人がそこそこいる私も「へー」ってなった内容が多く、勉強になりました。
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■もう1本朝日新聞系の媒体から
記事にいわく、
短期滞在者にまで受験機会を拡大するほど、受け入れが進まない特定技能。ベトナムの送り出し機関幹部はこう切り捨てた。
「渡航費も自己負担で、仮に試験に受かっても就職が保証されるわけではない。試験目的の短期滞在ビザで入国し、アンダーグラウンドで働く失踪者が増えるだけでしょう」
いや、もうね、ほんそれ。なにしろ私この件、昨年末の第一報からずっとマジで? え……マジで? と語彙力ない感想しか言ってない自信あります。
■ちなみに。世の中には建前と本音があって、建前上は不法就労はダメだけど。みたいな記事があったので箸休めにどうぞおひとつ。
■ネタ輩出企業として確固たる地位を築いてきた感ある某社の記事も「実は、Xさんは現在、別の焼肉店で不法就労を続けている」でしれッと〆られていたりして。
■対する「建前」の部分のニッポンはどんな感じかというと
共生社会の実現を目指す東京都は、オリンピック・パラリンピックのレガシーとしてボランティア文化を定着させるとともに、急増する外国人と日本人との相互理解を促すことなどを目的とした新たな財団を、ことし10月に設立する方針を固めました
うん、ちょっとナニ言ってんのか分かんない。
同じ「共生」を云々するなら、むしろ以下の記事で報じられた内容は個人的には共感できる。見出しだけじゃ読む気になれないけどねえ(=余計なコメント)。
これのどこがイイのかというと
「茨城で暮らす外国人従業員や家族が、安心して暮らせる多文化共生の地域社会実現を目指そうと、高齢者施設や農業法人、日本語学校など、多様な分野の関係者が出席。生活支援の課題や外国人技能実習生の実態、交流の機会づくりなどについて話し合った」
と記事中にあるんですけどね、ちゃんと事業を展開している人たちが集まっているところですよ。
話の流れで「悪い例」みたいな紹介になってしまって恐縮ですが、たとえば次の、静岡県の事例。
指導者や学習支援者を養成する研修会を開き、日本語教室のない地域で教室設置を促す。有識者の意見を聞いて教材を作り、指導者の情報などとともにホームページに掲載。外国人の勤務する企業には企業内日本語教室の開設など学習機会の提供を求めていく
行政が主導することを問題視しているわけではありません。ただ、ボランティア的な発意に依存するように読めるんですよね。
ビジネスとして日本語を教えている日本語学校と組めばいいんじゃないんですか、それだと特定事業者との癒着が疑われかねないからダメですか、まあそれも分かるっちゃ分かるけど。
……ぐらいが極私的な感想で、つまり茨城と静岡の2本を並べると、茨城の肩を持ちがち。現場からは以上です。