週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(20.10.11-20.10.17)
突然ですけど欅坂46のラストライブが見れませんでした。って話から始めていいですか。仕事がイヤな感じに立て込んでいるせいなんですが、それはまあいい。よくないけど。
ええと、「黒い羊」って楽曲がありまして、そのエンディングが新解釈だったらしいと聞いて、ずっと頭に引っかかっているんです。
なるべく手短に書くと、この曲のおかしな-ユニークネスでありアイデンティティでもある-ところって、最後まで孤立や絶望が解消されないところだと思うんですね。それが今回のラストライブではハッピーエンドとまではいかないにせよ、演出が異なっていた、と。
欅坂自体もつらいのかな......と思うことがあったけど、今日の「黒い羊」の最後に、ゆいぽんの手を渡邉理佐さんが引っ張っていってくれたりとか。
欅坂を脱ぎ捨てていく彼女たちがいつまでも重荷を背負い続ける必要はないし、「絶望で知られてきた楽曲を希望ある形で終わらせたかった」という解釈を打ち出せるぐらいに成長したって思うことも可能・なんですけど。
暗澹たる気持ちが澱のようにたまっていても、上澄みはキレイに見えるわけで、その表面的な希望を示されるような気がして、それこそ「自らの真実を捨て、白い羊のふりをする者よ」って歌いたくなるのは……これは……たぶん仕事がイヤな感じに立て込んでいるからだな。
ただ、たとえば外国人就労関連ニュースを毎週紹介して1年ちょっと経つけど、あまり良い方に社会が変わっているように感じられないんですよ私。
だからこそ、オリジナルのニヒリズムが親しく思え、別解釈バージョンが披露されたと聞いて、心がザワついたんですよ……って話のつなげ方が我ながら強引。
■今週の主なニュースをご覧いただけば私が言いたいこと、ちょっとは伝わるのでは。
「来日する前、ベトナムの会社(送り出し機関と呼ばれる民間会社)では、日本が魅力的な国だと良いことばかりを言います。そのため実習生たちは、日本はピンク色だと思って来日するのですが、地方に送られて仕事をしてみると、ブラックな実態だと初めてわかります。私は来日して20年になりますが、日本も、日本人も、日本の文化も大好きですよ。こうやって実習生たちの日本に対するイメージが悪いほうに変わっていくのは、つらいのです」
POSSEにはこの春、月100件以上の相談が寄せられた。10万円の特別定額給付金の受け取り方などの質問が大半だったという。だが、7、8月になると、相談内容が一変。件数こそ20~30件に減ったが、「仕事も貯金もなくなった」という命に直結しかねない深刻な相談がほとんどを占めるようになった。
この3年70.6%→70.8%→70.4%と来ていたのが悪化しとるやんけ。という話ではあるのですが、7年~5年前は79.1%→79.6%→76.0%だったのに比べればマシ……ってその比較はアカンやつ。
謝ったら死ぬ病が生んでるやつなので、だいじょうぶだよ誤りを認めて改めるのは怖くないよ、ってアプローチ・スキルが求められてるんだろうなって最近思うように。ほらね、こわくない。おびえていただけなんだよね。
上司から日常的な暴言や暴力を受けていると告発...他の実習先への転籍を希望しているが、監理団体や外国人技能実習機構から紹介はなく、実習先から十分な指導を受けられない
■もちろん、そういうニュースばっかりではないんですけど。
(雇用許可制度についての言及も研究も、本来もっとあってしかるべきだと思うし、ってバイアス込かもしれないのですが)良いテキスト。
武田教授は、BuzzFeed Newsの取材に対し、言い換えには「難しいスキルは不要ですし、正解があるわけでもありません」と語ります。重要なのは「自分の中の『日本語の引き出し』を開けて、相手がわかる言葉を探すこと」。
ごく微量、椎葉村が責められてる気配がするんですけど、事前も事後もちゃんとしてるほうだと思うので、このうえ記事見出しを言うために引き合いに出されるのは気の毒だな。
難民や移民に対し、ネガティブにとらえるだけでなく、ポジティブな面に目を向けることも重要だ。少子高齢化が進む中での日本の労働力不足は、今後、ますます深刻となる。前政権では、5年間で最大35万人の外国人労働者を受け入れることが方針として打ち出されたが、それならば、まず難民や既に日本社会に溶け込んでいる外国人に正規の在留資格を与え、働いてもらうべきではないか。そのためにも外国人に対する偏見や差別をなくすことが重要だろう。
■NHKがETV特集「調査ドキュメント~外国人技能実習制度を追う~」を放送していました。
日本で働く外国人技能実習生は増え続け、いまや41万人。一方で、労働基準監督署などの監督指導では7割以上の事業所で法令違反が見つかるなど、不正が絶えません。国連からもたびたび人権侵害であると勧告を受けてきました。この制度はなぜ生まれ、そして不正はなくならないのか、今回、実習生やその家族、現地の送り出し機関、そして日本の監理団体や国など制度に関わる関係者を取材。さまざまな角度から、その背景に迫ります。
早々にあかされていたのは「2年の取材」を番組としてまとめた、という経緯で、たしかに時間の積み重ねの上でしか表せない内容だったことに感服しました。2019年6月に放映された「ノーナレ」を彷彿させるところも多々ありましたが。
ちなみに番組で映っていた監理団体とタオル工場の件はこれです。
あと、良い送り出し機関として紹介されていたのはここ。
番組名のハッシュタグを眺めると「技能実習制度なんか終わらせるべき」といういつもの声があがっているわけですが(それで出来たのが特定技能って制度なんですけど。と言い続け早や1年、相変わらず浸透しない)やっぱり希望を託したエンディングの「黒い羊」を受け入れるには、俺たちの日々はあまりにも明るくない気がするんですよ。
人生の大半は思うようにはいかない
納得できないことばかりだし諦めろと諭されてたけど
それならやっぱ納得なんかしないまま
その度に何度も唾を吐いて
噛みついちゃいけませんか?