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週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.4.26-20.5.2)
先週トップで言及したニュースの再掲から始めたいのですが
これ、監理団体の責任だけでなくむしろ彼らを監督する外国人技能実習機構(OTIT)って団体の責任問題だろ! と書いたんですよね先週のnoteに。
そしたらその公開直後に中国新聞が“処分軽減「まさに忖度」日立元実習生ら批判”という記事を掲載していたことに気が付いて。
詳細はリンク先どうぞ。「(OTITは)認定取り消しとするよう出入国在留管理庁などに報告したが、最終的な処分は改善命令だった」。
なるほどそれが本当なら俺謝罪案件、と反射的に思ったんですが、いや待て俺以外にも謝罪すべきところがあるのではないか。
■話は変わって、出入国在留管理庁つながり(=変わってないのでは)
4月27日の東京新聞に掲載されたこの要望書へ呼応するように、4日後である5月1日、時事通信が次のように報じました。
めでたしめでたし。
と言えなくはないのですが、個人的に引っかかる点が無いではない。
“国外退去処分を受け、施設に収容している外国人について、一時的に身柄拘束を解く仮放免を「積極的に活用する」と明記”まではいいけど“重い罪を犯した場合などを除き”なんて元資料には書いてなかった件 / “不法滞在者、積極的に仮放免 入管収容施設の「3密」防止:時事…” https://t.co/rk8WrheIwj
— 鈴岸ゆういち (@kissenger800) May 1, 2020
元資料では
「特に仮放免を行うことが適当でないと認められる場合(明らかに感染している場合若しくは感染の疑いがあると判断される場合を含む。)を除き」
とあるだけのところを
「重い罪を犯した場合などを除き」
ってわかりやすい表現になっていて、いや、明暦の大火(1657)で小伝馬町の牢から囚人を解放した石出帯刀(吉深、帯刀は世襲の名前)かよ。
「大火から逃げおおせた暁には必ずここに戻ってくるように。さすれば死罪の者も含め、私の命に替えても必ずやその義理に報いて見せよう。もしもこの機に乗じて雲隠れする者が有れば、私自らが雲の果てまで追い詰めて、その者のみならず一族郎党全てを成敗する」と申し伝え、猛火が迫る中で死罪の者も含めて数百人余りの「切り放ち」を行った。収監者達は涙を流し手を合わせて吉深に感謝し、後日約束通り全員が牢屋敷に戻ってきたという。
吉深は「罪人といえどその義理堅さは誠に天晴れである。このような者達をみすみす死罪とする事は長ずれば必ずや国の損失となる」と評価し、老中に死罪も含めた罪一等の減刑を嘆願、幕府も収監者全員の減刑を実行する事となった。-Wikipedia:石出帯刀
個人的に引っかかる、と私が言うのは「収容令書又は退去強制令書により入国者収容所や地方入管局の収容場に収容されている外国人」はすなわち「罪人」なのか。という点です。
日本国憲法が保証する基本的人権は外国人には適用されない、という判例が最高裁で出ている(1978年10月4日マクリーン事件)のですが、それを前提に考えたとしても、日本という国が定めるルールが適用される場所がたとえばサッカーのピッチだとすると、そこから出ていくようにってレッドカードが出された状態、というようなイメージがあるんです。それ「罪」?
法に反しているからcrimeでしょ、って考え方はわかるけど(なお軽微な反則行為を示すoffenceを個人的には使いたい)少なくともsinではない。
法治国家の建前では「基本的人権は外国人には適用されない」って言説を認めても、それは「ペットを傷つけたら器物破損」と同じレベルなんですよ、あくまでも私個人の感じ方の話をしてますけど。
ヒトとして反射的に「ダメじゃん」って思う、そっちの思いを優先したい。そこまで考えると
「特に仮放免を行うことが適当でないと認められる場合」を「重い罪を犯した場合」って意訳した者よ、キミはどこまで考えているんだ、えッどうなんだキミ。変な酔っ払いに絡まれたみたいな顔をするんじゃない。
■どうもね、紋切り型というか「定型におさめたい欲」というか、外国人を対象とする記事の多くがあらかじめ着地点を設定したうえで書かれているような気がするんです。
たとえばこれらの見出しを読んで内容を想像するじゃないですか。
記事本文を読んで、お。思ってた内容と違った……ってなることがほとんど無い。それはもちろん「本文内容を的確に抽出した見出しが付いてる」ってことではあるんですが、同時に、もう一歩踏み込んで書いてくれればいいのに。ってことでもあるのです。
ステレオタイプ化しつつある導入部が「大変なのは留学生だけではない」論者にネタとして消費されて終わり。ってなりかねないので、せめて最終段落の見出し“情報過疎、どうすれば”から語ってもらうほうが良い気が / “「ポテチも買えない…」 コロナ禍、外国人留学生の困窮 …” https://t.co/GdxJPuZsWT
— 鈴岸ゆういち (@kissenger800) April 30, 2020
こういう人たちと企業に向けた救済措置として、技能実習を特定技能に切り替える方法が導入されたわけで、これは雇用側の問題……って言いきってしまえるほど制度変更が周知されていない問題 / “帰国できず、来日できず 新型コロナ出入国規制、技能実習生を直撃 貴重な戦…” https://t.co/jfu0Jr3Key
— 鈴岸ゆういち (@kissenger800) April 30, 2020
“福岡出入国在留管理局那覇支局によると、新型コロナの感染拡大で勤務先から解雇されるなどの理由から、就労ビザが更新できないという相談が増えている”人手不足の農業や介護への斡旋スキーム、どうなったん? / “「退職届書かされた」外国人労働者苦境に 就労ビザ更新も…” https://t.co/V6lLdX0hyu
— 鈴岸ゆういち (@kissenger800) April 30, 2020
■そんな私だから、おお、なんだこれ、記事の行き先が分からん。と思えるものに遭遇すると喜んでしまう(=チョロい)
あーこの記事読んだときのツイートでも何か言ってるな俺。
この企画支持してますが、せっかくなんで今は珍奇なものを見る視線しか集めてないかもしれんけど「記事に即したプレイリスト」部分にも力を入れてもらいたいのよね。3曲て! / “6カ国語操るポーランド人、タクシー運転手時代に見た「残念な日本」” https://t.co/5GyJFELBJK
— 鈴岸ゆういち (@kissenger800) April 29, 2020
ちがうの、これは文句じゃないの、要望よ、要望!