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週刊外国人就労関連ニュースまとめ(19.12.15-12.21)

「今年見た映画ベスト10」「今年読んだ本ベスト10」選ぶのが個人的な歳末恒例行事なのですが(真顔)「今年の外国人就労関連十大ニュース」てなものも、当然のように選び始めていて、だいたいこんな感じかね。というところまでは来ていたのに、つい昨日首相官邸から発表された『外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂)』なる文書! ちょっと奥さん、読まはりました? びっくりしましたよねー(というイントロダクション)

■というわけで今週イチ大きな「は?」って声が出たやつ

施策番号14に次のような記述があり、つまりホンマですやん。

特定技能制度における技能試験及び日本語試験を国内外で円滑に実施する観点から、以下の措置を講じる。
・ 短期滞在者には限定的にしか認められていない試験の受験資格の見直しを令和2年1月中に実施するなど受験対象者の拡大を図る。
・ 新たな日本語試験の活用を検討するとともに、特定技能制度における日本語試験の不正防止を徹底し、適正な実施を図る。
〔法務省、外務省〕 《施策番号14》

もういっかいだけ、確認させてもらっていいですか。「特定技能で受け入れる予定だった目標数値になかなか届かないから」「観光やビジネスで訪れた外国人も受験が可能になる」?
あまりにもドラスティックなことを言い出されたので、真意を疑っているフェーズなのでこれ以上のコメントは避けますが(大人の対応)引き続きこの件は注視していきます。

■関係閣僚会議資料への、その他の感想
・海外における日本語教育は外務省すなわち国際交流基金なりJICAなりがコミットしていくとする一方、国内の日本語教育は文科省が「NPO団体等と協力して」進めるっていうこの国内外での予算というか力の入れ具合の不均衡よ
・相変わらず日本語能力を図る指標にCEFR使うって言い張る気だな
・現在は14分野に限っている特定技能の受け入れ、増やす気はあります(と読める施策番号21)
・日本食以外の調理、製菓の専門学校卒業生の就業が可能になった(11月に!)ことはあまり知られていないので広報していく。たしかに初耳でした
・東京福祉大学が活用していた「研究生」という法規制ハックは明示的に禁止される模様
・いわゆる強制帰国命令出したのに帰ろうとしない層へは今後もビシビシ厳しくいきます、って宣言が続いているところには暗澹とした気分に
・本でいう「はじめに」にあたるところで、次のような記述があるんですが

受け入れる側の日本人が、共生社会の実現について理解し協力するよう努めていくだけでなく、受け入れられる側の外国人もまた、共生の理念を理解し、日本の風土・文化を理解するよう努めていくことが重要であることも銘記されなければならない

これ、誰に向けて書いたんだ。書く必要あったのか「受け入れられる側の外国人もまた」云々。
この発想の根底にある、受け入れる側>受け入れられる側、という不等号は「共生」という精神から最も遠いところにあるものですよ。大丈夫ですかね。

■上の件が出るまでは、今週は新しいトピックというより総まとめだな、師走っぽいな。と思っていたのでした

固有名詞が出ないのはそれなりの理由があるんだろうと思っていたんですけど、名前を聞いたらなるほど、ってなったやつ。

あとはこんな記事というか、年末企画とか。

■特定技能でひとが来ません定期

■事実を伝えられた読者がことばを失ってしまう記事でした


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