日本産馬のBC2勝を寿ぎながら実況中継に繊細やくざ的な反応を見せた自分に引いた話
今開催BC売上レコードだったそうですが、円に換算したら208億で、それって今年のJRA重賞でいうと、皐月賞安田記念(190億強)と宝塚記念天皇賞秋(220億強)の間ぐらい。
日本ダービーは250億、世界でいちばん売れるレースこと有馬記念はここ3年の平均450億強なので、ちょっと俺たちは馬券が好きすぎるわけですが、なにしろ景気の良い話でけっこうです。
フィリー&メアターフにおけるラヴズオンリーユーはなんといっても川田の騎乗がすばらしかったし、それは1987年にJRAが始めた「世界の超一流騎手を日本に呼んで、その騎乗ぶりを間近で学ぼうぜ」企画、ワールド・スーパー・ジョッキーズ・シリーズ(2015年からはスーパーあらためオールスター)の歴史があったからだよなあ。と長い間の競馬ファンとしてしみじみ思ったのですが、その大いなる感動をすら上書きしてしまったディスタフのマルシュロレーヌ。やっぱり私の昨日のハイライトはそこでした。
実況中継、スタートからの400mを21.84秒で通過した時点ではabsolutely flying(これは早いペース)、800m44.97秒でblazing(超高速)、いずれも場内が「それは無いわー」って数字に息をのむあたりがとても面白いのですが、注目はその800m時点アナウンス。
馬の名前ではなく騎手の名前が呼ばれるの、レース中ではここだけなんです。いいかげんにしろ、まではいかないけど思わず口から出てしまった系。
そして直線の攻防。
いやー書き起こすだけで盛り上がる。
せっかくだからレースの本筋ではないけど、個人的に言及しておきたい別のシーンも紹介しておきます。レトルースカという、メキシコでデビューして連戦連勝だった馬がいました。
昨春からはアメリカ西海岸に腰を据え地道にキャリアを積み上げた結果、今年の戦績は(5, 1, 1,0)なんなら古牝馬という部門限定に留まらず、年度代表馬へ推す声すらあがっていたのですが、彼女が勝負どころで下がっていったときの実況が、こんな感じ。
定型表現なんですけどね。でも俺が競馬を続けているのはこういう、何てことのない小さなフレーズが好きだからかもしれん。It's not Letrusca today. たまたま今日は彼女の日じゃなかったけど、みんな彼女の強さは知ってる、だから1番人気だったわけで。
って感動の2分だったわけですが、入線から着順確定までのわずかな時間、レースを実況席が振り返っていたんです。
YouTube動画でいうと3分24秒ぐらいから、わちゃわちゃと「最初の猛ペースがレース全体に影響したのはたしかですよね、前半ついていったシーデアズザデビルはもちろん、マラサートも、なにしろ最初に飛ばした3頭はレース後半出番まったく無くなって」そう聞かれた解説者のコメント。
ここまで読んで本noteタイトルの意味が分かるやつなんですけど、ちょっとね、こう……レース全体の流れを「壊した」先行馬同士の争いをradioactiveって言われーの、contaminatedって言われーの、で真顔になってしまった私でした。
もちろん実況席のひとたちには何の底意もないわけで、ただただ、私個人が反応した、だけの話よ? でもまあ、実況を聞いてそこを気にしたひと、あんまりいないと思うし、逆にこういう個人的な思いを残しておく場所でもあるじゃないですか、インターネット。
※ヘッダ画像はブリーダーズカップ公式サイトから
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