
技能実習制度、見直しへ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.7.24-22.7.30)
現法務大臣が着任早々からそれっぽい発言を繰り返していたことはあまり認知されていないようですが、少なくとも前任者あたりとは大きく異なるスタンスで職責にあたっているフシがある……とは、歴代4人の法務大臣の年頭所感を読み比べた際に書きました。
そういう意味で今週のトップニュースもそこそこ本気では。と感じた次第。
■なお文科省
ここで指す「留学生」が「労働力」とニアリーイコールなのは
新型コロナの影響で減っている外国人留学生について、文部科学省は、このまま受け入れが停滞すれば、社会全体に影響しかねないとして
語るに落ちているわけですが、技能実習制度を日本の産業界が堂々と悪用するようになるまでは「留学生」がサイドドアだったわけで、ちょっとそのことに無頓着でいてもらっちゃ困るんだけどな。と、これはどちらかというと日本社会に向けた私の感想。
■今週の技能実習制度関連ニュース、見出しだけでお腹いっぱい
■忘れてならない観点
国内の業者であれば職業安定法やその上乗せ的な法規制は可能でしょうが、海の向こう側で(場合によっては現地政府の黙認の下で)行われる事実上の中間搾取行為を有効に規制するのはなかなか難しいでしょう
ベトナムが国家公認で手数料ビジネスに励んでいることは当欄でも繰り返し触れてきたことですが、だからこそ1ヵ月前のこのニュースとか
今週のこのニュースとか
要するに新しい試みを成功させるには既存のステークホルダーを廃したところでやらないと。って意味ですね。よろしいと思います。
■もうひとつの耳が痛い観点
「今、台風が来ても地震があっても凶悪事件が起きても、すぐ在日外国人に結び付けられる。日本人社会が差別実態を生んでいる」
一貫した排外主義の政策の根本には何があるのでしょうか。
いつ私たちは、こうした国際主義に真っ向から反するような差別主義を国家の政策として続けてきたことを認めたというのでしょうか。
(中略)人と人との関係を考えたとき、人種や民族、出自によって、それらは変わらないとして「人」を差別する、自分に利益を与える人としかつき合わないという排他主義です。
ヘイトの問題を考える上で重要な言葉の中に、「集団的ナルシシズム」があります。
「日本」という大きな主語と自分自身を一体化させてしまい、「日本政府」や「日本人」を批判されると、「自分」を批判されたかのように感じがちな状態を、心理学の世界ではそう呼ぶのだそうです。
いま日本がウクライナの人たちを受け入れたり、あるいはアジアからの技能実習生とか各地から受け入れていますけども。その際に『日本って純血な民族なんだ』みたいに今も思っている方々がいて、外から入ってくる人たちを最終的には受け入れないみたいな気分が、なんかどこかにあるような気がするんですね。
それは誤解なんだ、という話しをしたいんですけども。
■その話↑とこの話↓、同じじゃない?
DNA鑑定で父が日本人だと判明したから戸籍を作ってもいい。ってニュースに感じたのは「国籍」を崇高に考え過ぎでは、という。
ノーベル賞を獲ったアメリカ国籍の学者を「日本人」って言ってみたりするマインドと表裏一体ですよね。
あと難民を認めたくない、も同根だと思う。
■今週のその他ニュース
最後のニュースだけ毛色が違って見えますが、南アジアの国から日本にやって来るひとたちにとって中近東出稼ぎと日本出稼ぎの比較は、後者のワンチャン狙い背景にある事実のメモです。