見出し画像

週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(20.11.15-20.11.21)

わたし、魔女のキキ。こっちは最後にベトナムに行ったのが去年の2月だった私の、そのとき食った覚えがまるでないエビ。……いや、食ってないと思うけどなあ。
それはそうと(どういう導入なんだ)今週も相変わらずニュース見出しにベトナムという文字が躍る日ばかりでした。

おかげさまで、まったく「そういうニュース」じゃないのに、余計な気をまわす俺。みたいな現象が。……たとえばこういうの。

ベトナムといえばホンノンボ(って盆栽っぽい文化)があるぐらいで、日本の盆栽に惹かれるひとがいても不思議じゃなく、繰り返しますがこの記事はまったく犯罪と関係ない、ただのイイ話なんです。
で、イヤなことを言うよなあ、って自覚しながら言うんですけど、2019年春、盆栽の盗難がちょっと話題になった時期があって、そのときも「外国人のしわざでは?」って声が聞かれたんですよね。ええ、豚や果物の盗難が報道された今春と同じように。

つまり、もし今また盆栽が盗まれた、とかいう話が出てきたら間違いなく「犯人は日本人じゃない」説が大きな声で言われる気がするんですよ。なんかねえ、そういう社会になっちまったねえ(という嘆息)。

■あらためて言っておきたいんですけど

とてもしっかりした記事なのに、1ヵ所、あまりに残念な部分がありまして。「外国人技能実習機構の機能不全」という小見出しに続けて、「北関東では、ベトナム人による農畜産物の盗難事件が相次ぐ」ってキャプションをつけてNHKのウェブサイトの画像を引用しているんですよね。(下図。後述する理由で顔にボカしを入れたのは私で、元記事では鮮明です)

1日1食菓子パンで生活、コロナ禍の技能実習生の叫び「借金のまま帰れない」-Business-Insider-Japan

あのね、「アパートの部屋で、許可を得ていないのに不法に豚を解体した疑いで逮捕されました」って4人の技能実習生を悪い奴らイメージとして使っているわけですけどね、彼らは結局不起訴になったわけですよ。

もともと入管難民法違反にせよ、と畜場法違反にせよ、顔をサラしあげられるほどの悪事か? という違和感が私にはあるんですけど、これ、明白にダメですよね。だからあれほど「刑が確定する前から犯罪者扱い」はよせ、と言っとろう。猛省を促したい。

関連して紹介したいのが朝日新聞のこの記事で、全体に真っ当な主張なんですが、どうしても気になる一節が。

日本政府は安い労働力として使うため外国人を入国させておきながら、技能実習生のサポートや受け入れ企業の監督は民間に任せきりだ。実習生がひどい扱いに耐えられず失踪したら、不法滞在だと摘発する。企業もコロナ禍で困ったら真っ先に切り捨てる。働けば不法就労になるなら、盗むしかない。まるで「レ・ミゼラブル」の世界だ。

レトリックなことは分かるけど「働けば不法就労になるなら、盗むしかない」ってフレーズ。
不用意じゃない? 誤読するほうが悪いっていえばそれまでだけど、ただでさえ風当たりがキツい「外国人」の身になったら、こういう言われ方は複雑な感想になると思うんですよ。こういうのを昔のひとは「贔屓の引き倒し」って言ったんだと思うんですよ。
私の考えすぎですかね?

■今週のその他のニュースもなんかこう、そういうのを選んでるからなんだけど、こんな感じばっかり。

■なかでも今週いちばんせつなかった記事はこれです

今年7月、順調だった留学生活を1本の電話が暗転させた。
「別の通帳を持っていませんか」。同市の福岡出入国在留管理局熊本出張所の職員からだった。申告していたアルバイトは、カー用品店とディスカウント店の2カ所だけ。18年冬からこっそりコンビニでも働いていたが、とっさに「ありません」とごまかした。当時の月収は8万~10万円前後で、月6万円を学費に充てる。手元に残る数万円で、生活費を切り詰めてやりくりしていた。しかし同郷留学生2人との賃貸住宅の共有が続けられなくなったことが転機だった。1人で新居を借りるため、入管難民法の就労制限「週28時間の壁」を超える選択をした。

■数少ない良い話も載せておきます

授業を担当したのは、高浜市の公益社団法人「トレイディングケア」代表理事の新美純子さん(49)。法人は今年三月、多文化共生社会の推進に向け、同市と協定を結んだ。インドネシアからの実習生を預かり、受け入れ先の介護施設でスムーズに実習できるよう支援する監理団体の一つ。
(略)
後半の班活動ではイラストを描く作業の前に、新美さんが実習生の悩みを紹介。「日本人は私たちが見えていない。困っても目を合わせてくれない」「もっと日本の友達がほしい」といった内容で、実習生と対話しながら生徒たちが解決策を提案した。

■もうひとつ、これも良いニュースなので。

■おまけ。本業は日本語検定事業の民間企業サラリーマンの私、ベトナムとの御縁はまあまあ長くて。という自己紹介がわりに過去noteへのリンクを貼っておきます。



いいなと思ったら応援しよう!