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ニュースのその後/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.6.27-21.7.3)

ニュースっていうぐらいだし、ニューじゃない事はどんどん忘れていくのが健全だと思うものの、たとえば先週話題になった「不法滞在の外国人を悪意あるイラストで描いた三重県のホームページ」云々。

県警本部の担当者は「他県の警察関係者が作成したイラストを使用した」
県警によると、イラストは県外の警察関係者が作成したフリー素材だったという。

ちょ、待てよ。先週も私、書いたんですけど、これ三重県の問題では絶対にないんですよ。

画像検索すれば、いまだに神奈川県警にも兵庫県警にも山口県警にも、同じイラストを用いた注意喚起のチラシ画像が存在することが分かるわけで(なんならゼノフォーブなひとが個人ブログのエントリに当該画像を新たに配した様子も分かるので、作成者の意図が実に正確に伝わった模様ですよかったですね)メディア各位、この件ほんとうに「三重ローカルの問題」として終わらせるんですか。

法務大臣閣議後記者会見の概要|令和3年6月29日(火)

【記者】
入管庁の不法就労外国人対策キャンペーンに連動して,三重県がウェブ上に掲載したイラストに関連してお聞きいたします。
不法就労等に関する三重県のウェブサイトに掲載されたイラストが,外国人への差別や偏見を助長するという指摘を受けて,県がこれを削除いたしました。イラストは,灰色の肌に黄色の目の土木作業員や工場作業員と見られる男女が,「在留資格無資格」と書かれた紙を掲げ,薄ら笑いを浮かべていた様子が描かれていました。
イラストは県警の依頼を受け,入管庁の不法就労外国人対策キャンペーンの期間に合わせ6月から掲載したとのことです。入管庁が開発したアプリも,外国人からは人権侵害を助長するという批判が出ていますが,この入管の不法就労対策キャンペーンは,やり方を少し間違えてしまうと,280万人を超える,いわゆる正規の在留外国人への人権侵害を助長してしまう面も多々あると思います。
人権擁護を掲げる法務省として,こういったキャンペーンから派生してしまうような人権侵害,これにどう対処し,全国の自治体等々に通知を含めた注意喚起をするのかどうか。この辺りをお聞かせください。
【大臣】
御指摘の報道については承知しているところでございます。経緯等の詳細につきましては,把握をしておりませんので,法務大臣としての回答につきましては差し控えさせていただきたいと思います。
なお,出入国在留管理庁におきまして,この不法就労外国人問題に対処するために,6月を不法就労外国人対策キャンペーン月間と定めまして,外国人を雇用する事業主等を対象に,不法就労の防止について,理解と協力を求めるためのキャンペーンを行っている状況でございます。
当該キャンペーンにつきましては,入管法で禁止している不法就労を防止することを目的として,事業主や外国人に啓発を図るものでありまして,差別を助長するものでは全くございません。当該キャンペーンの詳細につきましては,出入国在留管理庁にお尋ねをいただきたいと思っております。

三重の話として質問したら、そりゃ三重の話としての答えしか返ってこない。そんな詰めの甘いことでいいのか。嘘だろ! とおそらく日本で私だけがフンガイしております。

■実は毎年ニュースになっている「人身売買に関する米国務省の年次報告書」の最新版

別途エントリ書いたので詳しくはそちらで。
そっちに書かなかったことでいうと、指宿弁護士が選ばれた「人身売買と戦うヒーロー」、日本人としては2013年の鳥井一平氏に続いて2人目って件、たしかに日本人としては2人目なんですけど、2004年に駐日コロンビア大使が選ばれていることを申し添えておきます。

警察白書(平成16年)>第3章 生活安全の確保と警察活動>第4節 良好な生活環境の保持>1 風俗営業の健全化と風俗環境の浄化>(5) 国際的な人身取引事犯に対する警察の取組み
というところに理由と思しき事案が書いてありまして

18都府県警察が、15年2月、各地の入国管理局と合同で全国24箇所のストリップ劇場の一斉摘発を実施し...ストリップ嬢等として稼働していたコロンビア人女性ら68人を保護した

つまり何が言いたいかというと、人身売買の問題に取り組むためにヒーローが必要な社会って自慢するところではないんです。

■ニュースのその後(3)

これはNHKが気を吐いている事案。今回報道の前段は下記リンクから。
報道はかくありたい、という感想。

■ニュースのその後(4)

この第一報は2020年11月20日。

2021年4月25日。

2021年6月16日。

■ニュースのその後というより、ここ数年ベトナム人が日本で困ったら頼る先としてずーっと奮闘している日新窟の吉水慈豊師についての記事をどうぞ

■最後はおもむきを変えて、今週のニッポン列島

これね、つい「あわせて読みたい」って6月19日付の記事を持ち出したくなりました。

あ、岐阜と長野に加えて福井の話もしとく?

福井県では、「福井県多文化共生推進プラン」を策定するにあたり、福井県の住民にアンケートを実施していた。アンケート結果では、福井県の人の約半数は外国人と交流したくないとの意向を示していたが、福井県では、多文化共生推進プランを策定して多文化共生を進めていく方針である

言い方!

そういえば北海道宗谷郡猿払村がひとりあたりの住民税収全国7位というニュースも。

猿払といえば住民に占める技能実習生の割合が全国3位、というデータもあるぐらいで。

なにかしら住民と技能実習生の間に不協和音があれば真っ先にわれわれの耳に入ってきそうなところ、実習生が集団で解雇されたとか脱走したとかそういう話をまったく聞かない以上、上手にやっている、ってことでいいんですよね?
そもそも猿払村は技能実習制度が始まる前、特区の時代から人手不足を外国人で補おう発想を実施しているから(その発想への是非はありましょう)相応のノウハウが蓄積されているんだろうな。

ただ、日本人と外国人の「共生」を唱える際にトピックとなるはずの、日本語学習環境方面の話題がいっさい目につかないあたり、ちょっと気にしてはいます。

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