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週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(20.12.6-20.12.12)

この1年で採り上げたニュースを集計してみるか。と思い立ったものの、4月半ばで200本超という物量に圧倒されて手が止まっている私ですおはようございます。年間だと700本近い数のニュースを、全手動で拾い集めている計算で、自分のことながらよく続いてるな(今号で連続69週目)。

■今週の個人的なイチオシ

この週1更新企画を始めた理由は、本業(「日本語を母語としない人たちが日本語能力を示すために受験する、民間の日本語試験」を「主催運営する会社のサラリーマン」)の足しにもなるだろうし。
ぐらいの軽い意味しかなかったのですが、結果的に毎週毎週、よくもこんな理不尽な話があるもんだ。と嘆きを通り越して無表情に至るほどのニュースの数々に接することになって思うのは、世間にもっと知られていいことを伝えるには頭を使わないと。ってことでして(もちろん自戒込感想)、つまり、漫画は良い。良いぞ、もっとやれ。

■先週うっかり紹介が漏れていた、読み物として注目している「法務大臣閣議後記者会見の概要」(12/4分)

【記者】
難民認定が非常に少ない,在留特別許可も減っているというのはもう歴然とした事実ですが,そのことも踏まえてですが,出入国在留管理庁が12月1日に,コロナ禍で帰国できず,本邦での生計維持が困難である外国人に週28時間の資格外活動の就労を許可する文書を出しました。
ただ,その中に今言った難民申請者の多くが,結局今,在留資格がなくて,仮放免状態でいらっしゃるのですが,そういう方ですとか,元技能実習生や留学生で在留期限が切れてしまって,仮放免状態で就労もできず帰国もできず,生活困窮する人が今続出しています。そういう報道も最近多く取り上げられるようになっていると思います。そういった方に対しては全く就労も許可されず,それから行政の公的サービスも受けられないという状態が続いているのですが(後略。法務省はどう対応するか、という主旨)
【大臣】
(前段略)御質問の仮放免された外国人につきましては,基本的に,退去強制手続の対象とされ在留資格を有しないという立場であるということから,就労は認めていないところでございます...各所管省庁,市町村におきまして,法令により提供可能な行政サービスにつきましては,適切に対応しているものと承知しております。
さらに,仮放免をされた外国人につきまして,生活に困窮するなどの問題がある場合は,所轄の地方出入国在留管理局の方に是非御連絡・御相談いただきまして,個別にきめ細かな対応をとることとしているものでございます。

QAを要約すると「仮放免中の外国人の扱い、悪くないですか」「そのご指摘にはあたりません」。

ご指摘にあたるかどうかは別として、現今の本邦が外国籍のひとたちにとって暮らしやすいかどうか、という観点から見てみますか。

コロナは社会の脆弱なところを狙い撃ちしてきます。ナイトスポットで働く女性たち、過密かつ人手の足りない介護現場、あるいはスナックに通う独居の中高年男性たち……。そして、これは全国的な傾向なんですが、いま外国人コミュニティで流行し始めています。
日本で暮らす外国人が、祖国の家族に仕送りする送金を扱う会社...同社のサービスを通じて、送金する国々は約160カ国。カードを使って入金が出来、その後現地の銀行口座かパートナー会社で現金で受け取ることが出来る。最短で20分ほどで、現地で引き出せる。設立した2000年から、同社を通じて外国人が祖国に送った件数は10倍に増えた。コロナ禍で日本での外国人の暮らしは苦しいが、それでも祖国の方が大変な状況で、特別定額給付金10万円の支給後、送金額は増えたという
インドネシアでは、女性が一人で旅をしていると、「ひゃー、勇敢だね」と声をかけられることが多いほど、女性がひとりでいること自体が「普通じゃない」雰囲気があった。
彼女は「日本にいると、ひとりでもやっていけるって思うことは確かにあった。結婚しないで働いている人もいたし、60歳、70歳でも独身の患者さんもいたからね」と言った。
新型コロナウイルスの感染拡大による外食自粛ムードの中、ウーバー・ジャパン(東京)の「ウーバーイーツ」など料理宅配代行サービスが人気を集めている。「名古屋市内のハンバーガー店近くに外国人配達員が大勢、集まっているのはどうして」との投稿に基づき、ユースク取材班が調べてみると、宅配サービスがコロナ禍で職を失った外国人の受け皿となる一方、不法就労につながりかねない不透明な実態も見えてきた。

順に、暮らしにくそう・それでも故国よりはマシっぽい・暮らしやすいって言ってるね・暮らしキツそう。って記事をご紹介しまして、結論としては、いろいろある()。

■朝日新聞には毎月第1日曜に国際ニュースを主とする「GLOBE」という別刷り紙面があるんですけど、今月は“気がつけば「移民大国」”というテーマでした。

■こっちはNHKの独自ネタ

10月22日公開の前段を知らなければ響きづらい内容とタイトルで、みんなが俺みたいに年間700本のニュースを読んでいるわけではない(=あたりまえ)ので、もう少していねいに紹介すべきでは。

■その他のニュースがもっぱらベトナムのひとたち関連という最近のトレンド、今週も継続しています

おととし以降、埼玉県三郷市の営業所に勤務するベトナム人が不法就労の疑いで検挙されるケースが相次いだことから、警視庁が捜査を進めていました。この人材派遣会社は、日本に住む一部のベトナム人の間では「偽造在留カードでも雇ってくれる会社」として知られていたということです
起訴を受け、レー被告の弁護人の松野信夫弁護士が熊本市で記者会見し、「被告は『妊娠すれば、解雇や帰国させられる』との恐怖心があり、誰にも相談できなかった。起訴に至ったのは極めて残念だ」と訴えた
代理人の塩見卓也弁護士は「技能実習生の弱みにつけ込んだ行為の違法性が認められたことは一つの先例として価値がある。ほかの技能実習生に同じ行為が繰り返されないでほしい」と話した

■最後も入管方面の記事で。

日本の多くの産業分野で外国人労働者が必要とされていることに疑いの余地はない。だが、事情はどうあれ、「現行法に違反しながら、この国にいる彼らに弁解の余地などない」と彼らを取り巻く状況や生きる権利に目を向けない人の声のほうが大きい。残念ながら、それが日本の現実だ。
そんな中、入管の方針や対応に意を唱え続ける牛久の会の活動は、少なからぬ反発を受けているのではないか。だが、田中さんは、こちらの懸念に対してこう答える。「はっきりいえば、反発や波風を感じるほど、私たちの運動は世間に届いていません」

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