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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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#特定技能

入管春の渋滞予報とか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.11.10-24.11.16)

入管からお触れが出ていまして。 相変わらず入管窓口、担当者個人の当たり外れが大きいわけですけれど、そのなかでの繁忙期予報なので、目を引きました。これ誰がいちばん困るって特定技能の資格で国内転職を考えているひとたち。 転職先が在留資格変更届を申請するんですけど、たとえば1月に審査を依頼して通常でも3~4ヵ月要するところ(首都圏)プラス3ヵ月だと半年、宙ぶらりんになってしまうリスクがある。 (しかも人材紹介エージェントがその辺を理解していないことが圧倒的に多いのよーあんたたち仕

闇バイトとか誤認逮捕とか日本語学校とか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.11.3-24.11.9)

最近やたらと闇バイトの話が聞こえてきますけど、今週はこんなニュースもありまして。 治安悪化と外国籍を結びつけることには断固として反対する者(そして上掲ニュースの親玉が日本人である可能性は高いと思う者でもあります)けれど、ゼノフォビアに簡単につながるという意味でも経済、大事。という感想。 ■誤認逮捕2ネタ なお後者、別媒体では下記見出しなので なんというか、ちょうど良い報道ってないもんかね。 ■日本語学校界隈 文科省の資料を読んでいると、まあまあ滑り込みセーフみたい

そんなに見ないで(/ω\)/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.9.22-24.9.28)

今週まず紹介するのは大本営発表。 親の因果が子に報い。って浄瑠璃のようなフレーズがいまだ生き続けるんですなあ。前々から申し上げているんですけど「親に不法入国といった犯罪歴がある」が「子の在留資格を召し上げる」理由になるの、私個人はどうしても解せないん。 ■媒体の狙い通りにネット界隈でちょっとウケた記事の紹介 「スウェーデン紙によると」って記事内容の責任を回避する書きぶりなんですけど、見出しから論立てまで下記トルコ国営放送記事に類似してるんですよ。タイミング的にもこれ読ま

Go Vote/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.30-24.7.6)

東京都民として今日の選挙結果にガックリしたくねーなー。と強く思う朝ですけれど(期日前投票派)US大統領選を思えばまだ民主主義は死んでいないと感じられるのでは、という意見が目に入って一瞬そうね。と頷いたものの、いやーやっぱりなーそうは言ってもなー。 ■デタラメな法案が通過した後のわれわれ ■デタラメ司法というべきなのか、何なのか もとはというと 一目瞭然でヒドい話があって、あれは従業員が勝手にやったことだから組織に責任はないんで。って厚顔無恥な抗議を是とした地裁の判決が

もう低度外国人材とは言わせない/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.23-24.6.29)

毎年の恒例行事ですが、US国務省「人身売買報告書」最新版が公開されました。日本は今年もTier2(上から2番目。ちなみに韓国はTier1、中国ロシア北朝鮮ミャンマーあたりがTier3。さらに「欄外」が4ヵ国;ハイチ、リビア、ソマリア、イエメン)。 ただね、過去noteを書いたときほどには盛り上がれない。 なぜならイスラエルは。 と確認したら本邦同様Tier2で、そらまあ世界ポジショントーク開陳中だからそうなろうけれども、見てしまうと無の表情以外、どんな顔になればいいんです

外国人の受け入れ環境整備云々/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.16-24.6.22)

今週ネットでプチバズった話。 あとこれ。 ちなみに弊社エラいひとたち複数から、どういう意味? と問い合わせが多かった記事はこれ。 JICAが日本で働く海外人材の案件に絡んでくるの、事業領域としてちがうんじゃないの。という反応がもっぱらですが(わしもそう思う)ちょうどベトナムで技能実習制度を推していた政府関係者が失脚する流れなどもあり、労働者の人権問題という切り口からの提言が陽の目を浴びた形。 ……みたいな背景説明を長々としました。 ■個人的には 移住連の宣言に賛同し

Hellbound/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.5.19-24.5.25)

3年前の言語道断な話が東京地裁に「そんなたいしたことじゃない」って言われたのが今週イチ注目されてしかるべきニュース(断言)。 何が言語道断って3歳児を警察官が取り囲んで責め立てた、それは違法ではない。って今回の判決もだけど、そもそも何そのヒトデナシ集団。って話じゃないですか。 この件「報道の絶対量が足りていない」と繰り返し主張している私ですが、さすがに今回はそこそこの量を観測できましたけど、まだぜんぜん足りない。

経済的理由による移民/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.4.14-24.4.20)

あまりプレスリリースを取り上げることはない当欄ですが、今週出ていたマイナビグローバルのリリースが興味深くて。 いちばん盛り上がるスライドが「ベトナム人材の変化」というところ。 彼らなしでは既に社会が成り立たないのに何かといえばバカにしてきたみなさん、満足ですか。 ■もうひとつ、ついでにプレスリリースから 詳細言及しませんけど、どういうワードをチョイスするかで透けて見える心ってあるよね。 ■それでいうと透けて見えるどころじゃないニュースもありました ■今週のその他ニ

そんなの関係ねぇことはねぇ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.3.31-24.4.6)

今週は……と、毎週いちばん気になったニュースで書き始める恒例(241週目?)ですが、強いていうと今週いちばん気になったニュースは「外国人」関係ないこの件かねえ。 上毛新聞の切り込み方がいちばんダメなんですけど、社会的弱者に向ける/向けられる視線をヒトゴトと思っているとこういう書きぶりになる事例と思え、つまりね、記者が怒りにぷるぷる震えているかどうか。毎日新聞の記事と比べて読むといいですよ。 腹が立たないものかね、「権力」があると信じてしまっている役所や役人に。公僕てなことば

渋いニュースまたは渋い顔になるニュース/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.3.24-24.3.30)

今週は渋いニュースが多い。たとえばですけど、海外からの働き手を探す本邦において、むかし中国いまベトナム。と言っていた時代からもはやインドネシアが主流になり、同時に本国のドサクサに紛れてミャンマー人材を推す勢だのネパールいいですよ、カンボジア、あるいはラオスが注目です。みたいなことを言うひとびともいれば、いやいやインドですよインド。 って一派もいるんですけど(ここまでは別に珍しくもない話) ここでいうインド北東部(俗にいう7姉妹州)、インド国内では差別の対象で*つまりベトナ

同じアホなら。って姿勢/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.3.17-24.3.23)

クーリエというフランス定期刊行紙の日本版、という位置づけのネット媒体があります。他媒体の記事を寄せ集めてくるプレゼンテーションのスタイルは珍しくもないですが、元記事の主意と異なる見せ方を恣意的におこなうケースが散見され、個人的には「こいつは怪しい」箱におさめています。 好例が今週ニューヨーク・タイムズから転載された下記の見出し。 カッコ付き「愛国心」を刺激することでPV稼ごうぜ。という底意が見え透いて下品。としか私は思いませんでしたが、案の定「じゃあ執筆者がヨシとするUSの

一見「移民」の話と関係なさそうなんですけれど/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.3.3-24.3.9)

一見「移民」の話と関係なさそうなんですけれど(くりかえし)日本相撲協会がとにかく元横綱白鵬のことをキライでキライで。って話から。 キライな相手が盛大に失敗しました、その責は問われるべき。って話と、息の根を止めるなら今。とばかりに過去事例との整合なんか知ったこっちゃない、今度こそ致命的なダメージを与えてやる。って暗い情熱は本来違う話であるべきじゃないですか。 相撲ファンですらない門外漢の私ですが、そんな感想が湧いて出るのはゼノフォビアあふれる公式見解を相撲協会が出した、その記

関連ニュース豊作1週間/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.2.18-24.2.24)

先週と打って変わってあわただしい1週間で。個人的にはその筆頭は九州ローカル話題に留まっている下記の件。 技能実習制度において監理団体がいかに基本的人権というコンセプトを認識できていないか。の事例がまた追加かよ、という理解をしていたら、最後のRKB報道が指摘しているように 「勾留する必要ないよね?」「いや、逃げるだろ」 てなやりとりが司法とあったようで、まあまあ続報への興味が涌きます。 ■それでいうと埼玉ローカル話題が順当なのにネット経由でいたずらに可視化されることでヘイ

ふつうに移民社会/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.2.11-24.2.17)

世間を揺るがすようなニュースはなく、海外から日本へ出稼ぎに来る人たちが物語の主人公な話はあちこちで見ることが出来て、それって日本がしみじみ移民の国になった証拠では。というような1週間でした。たとえば? こんな感じ。 漁の再開にインドネシアの弟子が不可欠だ。 縫製工場の再開はインドネシア人従業員なしではありえない。 旧正月を祝うのは中国人だけでなくベトナム人もいっしょ。 介護の現場にインドネシア人がいない姿なんてもう想像もできない。 造船もインドネシア人、中国人がいて