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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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#技能実習

闇バイトとか誤認逮捕とか日本語学校とか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.11.3-24.11.9)

最近やたらと闇バイトの話が聞こえてきますけど、今週はこんなニュースもありまして。 治安悪化と外国籍を結びつけることには断固として反対する者(そして上掲ニュースの親玉が日本人である可能性は高いと思う者でもあります)けれど、ゼノフォビアに簡単につながるという意味でも経済、大事。という感想。 ■誤認逮捕2ネタ なお後者、別媒体では下記見出しなので なんというか、ちょうど良い報道ってないもんかね。 ■日本語学校界隈 文科省の資料を読んでいると、まあまあ滑り込みセーフみたい

そんなに見ないで(/ω\)/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.9.22-24.9.28)

今週まず紹介するのは大本営発表。 親の因果が子に報い。って浄瑠璃のようなフレーズがいまだ生き続けるんですなあ。前々から申し上げているんですけど「親に不法入国といった犯罪歴がある」が「子の在留資格を召し上げる」理由になるの、私個人はどうしても解せないん。 ■媒体の狙い通りにネット界隈でちょっとウケた記事の紹介 「スウェーデン紙によると」って記事内容の責任を回避する書きぶりなんですけど、見出しから論立てまで下記トルコ国営放送記事に類似してるんですよ。タイミング的にもこれ読ま

Go Vote/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.30-24.7.6)

東京都民として今日の選挙結果にガックリしたくねーなー。と強く思う朝ですけれど(期日前投票派)US大統領選を思えばまだ民主主義は死んでいないと感じられるのでは、という意見が目に入って一瞬そうね。と頷いたものの、いやーやっぱりなーそうは言ってもなー。 ■デタラメな法案が通過した後のわれわれ ■デタラメ司法というべきなのか、何なのか もとはというと 一目瞭然でヒドい話があって、あれは従業員が勝手にやったことだから組織に責任はないんで。って厚顔無恥な抗議を是とした地裁の判決が

外国人の受け入れ環境整備云々/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.16-24.6.22)

今週ネットでプチバズった話。 あとこれ。 ちなみに弊社エラいひとたち複数から、どういう意味? と問い合わせが多かった記事はこれ。 JICAが日本で働く海外人材の案件に絡んでくるの、事業領域としてちがうんじゃないの。という反応がもっぱらですが(わしもそう思う)ちょうどベトナムで技能実習制度を推していた政府関係者が失脚する流れなどもあり、労働者の人権問題という切り口からの提言が陽の目を浴びた形。 ……みたいな背景説明を長々としました。 ■個人的には 移住連の宣言に賛同し

haters gonna hate, hate, hate/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.9-24.6.15)

予定通り技能実習が廃止され、育成就労に改名する法案が成立しました。 労働力の確保を前面に打ち出した「特定技能」への移行を前提とする制度、そのタテツケに異存ないものの、生殺与奪の権力を入管が握る構造がむしろ強化された点が、とてもよくない。 ……という話を思えばこの5年、毎週書いている気がします。 ■今週のヘイト ・満場一致のヘイト ・他人の心にあるヘイトを煽ろうとする根性が透けて見える分、陋劣なやつ ・これは訓練されたヘイト心情が分かりやすく発露した話

「そもそもなぜ、永住許可取消しが今回の改定法案に入りこんだのでしょうか」/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.5.26-24.6.1)

今週というか少なくとも今年読んだなかでいちばん首がモゲそうなほど頷いたテキスト。 これら前段の、技能実習の看板をかけかえて育成就労にしたからってダメだよパートもさることながら、今回の改「正」における最も恥ずべき汚点、こっそり永住権剥奪しやすくしちゃうぞパートについての言及こそが白眉。 いやー良いスピーチ。 発言者はUS国務省から「人身売買をなくそうとする戦いに挑むヒーロー」に選ばれたことがある(2013年)ひとで、つまり日本には人身売買がある。という前提ありきの選出だった

誰得摘発/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.4.21-24.4.27)

ニュースに大きいも小さいもあるか、と思う自分もいますが、まあ小さいニュースだと思うんですよ。 別に珍しくもない話で、たとえば4か月前 2年前 それぞれどうなったのか(たぶん)報道されてもおらず不明ですが、それだけの期間を日本で過ごすと選択した本人たちが築いてきた世界を否定するのは、いくら野次馬とはいえ文字通り僭越でしょう。 ちなみに2003年の東京地裁の判決文に次のような一節があることを半年前に知って、おお良いこと言うじゃん。って思ったんです。 出典はこちらのnote

同じアホなら。って姿勢/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.3.17-24.3.23)

クーリエというフランス定期刊行紙の日本版、という位置づけのネット媒体があります。他媒体の記事を寄せ集めてくるプレゼンテーションのスタイルは珍しくもないですが、元記事の主意と異なる見せ方を恣意的におこなうケースが散見され、個人的には「こいつは怪しい」箱におさめています。 好例が今週ニューヨーク・タイムズから転載された下記の見出し。 カッコ付き「愛国心」を刺激することでPV稼ごうぜ。という底意が見え透いて下品。としか私は思いませんでしたが、案の定「じゃあ執筆者がヨシとするUSの

外国人の受け入れ人数が増える「課題」/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.2.4-24.2.10)

去年4月に観測気球として打ち上げられた技能実習「廃止」報道がようやく確定した今週でした。 ちなみに去年4月はこんな。(在りし日のイ・ソンギュンを添えて) つまり良いんですもう、そんな分かってた話は。 今週、もっと注目すべきは、下記の件。 個人的には最後の移住連の資料の一節に共感しています。いわく、

転職されたら困るので(わかる)法律で縛ってください(わからない)/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.12.24-23.12.30)

突然良い企画が掲載された南日本新聞をホメるところからまいりましょう。 技能実習の(雇用側にとっての)最大のメリット、転職できない。という人権無視規範が来春にも改正される想定で、ただいま検討中ステータスが数か月続く昨今なのですが、出ていかれる地方関係者の声、基本的に「出ていかれたら困る」「法律で縛りをかけてくれ」「人権とか何のことでしょう」みたいな地獄絵図でしてね。 そんななかで、正面から地方側の声をー通りいっぺんでなくー紹介する記事は管見の限り、初でした。良い試み。 ■地

ねほぱほ仮放免回が良かった報告/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.12.3-23.12.9)

何が良かったって、ねほりんぱほりんが視聴者と同レベルなので「え?」「そうなの?」みたいな相槌が終始入ってくる。そのおかげで安心して初歩の話を学べる=知ったかぶりしなくても大丈夫、な構成になっているところ。 ふたりの「在留資格がない人生を経験した20代女子」エピソードトークを核に進行するんですが、番組コンセプトの通り匿名出演の彼女たちが登場した瞬間のぱほりんの台詞が「あ、もう、だから、日本語が上手なのよー」。 見た目が日本人っぽくないこと、「でもこの子たちは日本人なんだ、そ

分かりやすく駄目です/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.10.29-23.11.4)

熊本のニュースがちょっと盛り上がっていた今週 こういう見出しが誘蛾灯の仕事をするのは、我々のような通りすがりのネットユーザーにすら分かるじゃないですか。なのに懲りないな、メディア、そして俺たち。と思っていたら当事者からのコメントも出ていて、うん、議事録をなるべく早く上げてくれ。という感想になりました。 繰り返しますが7月の議事が10月に公開されるスピード感だと11月のいま、噴き上がる流言が噴き上がるままになってしまうわけで(来年2月に公開されるころには誰も覚えてないよ!)

技能実習の制度変更における退行/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.10.22-23.10.28)

注目されているようで肝心のところが抜けがちな「世論」ですけど、技能実習制度廃止移行または変更、って比較的よく知られている話題がありますね。今週出たニュースのなかに、けっこう大き目の「退行」と申しますか「日和った」と申しますか「既定路線」か、みたいな話があったんです。 けっこうこれ、重要なポイントで。「現実的でない」のは事実だけど、そんなこと言うひとたちは「監理団体というスキームで食ってる」側なわけで、そらそう言うやろ。なお提言の修正履歴はこんな感じ 元)監理団体と受入れ企

技能実習制度のニュースは11月まで反応待つのが吉/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.10.15-23.10.21)

技能実習というワードに注目集まった1週間でしたが、最終確定の11月までは静観、が正しい対応だと思いながら眺めています。 ぐらいが個人的な感想です。 ■今週は実はその他のニュースにもいろいろあったんですけど、バラエティに富みすぎているので見出し紹介のみ 「準難民」に定住支援 ウクライナ想定、入管庁が実施方針:時事ドットコム出入国在留管理庁は20日、難民条約上の「難民」に該当しない紛争避難民を「補完的保護対象者」(準難民)として保護する制度の実www.jiji.com