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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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2024年6月の記事一覧

もう低度外国人材とは言わせない/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.23-24.6.29)

毎年の恒例行事ですが、US国務省「人身売買報告書」最新版が公開されました。日本は今年もTier2(上から2番目。ちなみに韓国はTier1、中国ロシア北朝鮮ミャンマーあたりがTier3。さらに「欄外」が4ヵ国;ハイチ、リビア、ソマリア、イエメン)。 ただね、過去noteを書いたときほどには盛り上がれない。 なぜならイスラエルは。 と確認したら本邦同様Tier2で、そらまあ世界ポジショントーク開陳中だからそうなろうけれども、見てしまうと無の表情以外、どんな顔になればいいんです

外国人の受け入れ環境整備云々/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.16-24.6.22)

今週ネットでプチバズった話。 あとこれ。 ちなみに弊社エラいひとたち複数から、どういう意味? と問い合わせが多かった記事はこれ。 JICAが日本で働く海外人材の案件に絡んでくるの、事業領域としてちがうんじゃないの。という反応がもっぱらですが(わしもそう思う)ちょうどベトナムで技能実習制度を推していた政府関係者が失脚する流れなどもあり、労働者の人権問題という切り口からの提言が陽の目を浴びた形。 ……みたいな背景説明を長々としました。 ■個人的には 移住連の宣言に賛同し

haters gonna hate, hate, hate/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.9-24.6.15)

予定通り技能実習が廃止され、育成就労に改名する法案が成立しました。 労働力の確保を前面に打ち出した「特定技能」への移行を前提とする制度、そのタテツケに異存ないものの、生殺与奪の権力を入管が握る構造がむしろ強化された点が、とてもよくない。 ……という話を思えばこの5年、毎週書いている気がします。 ■今週のヘイト ・満場一致のヘイト ・他人の心にあるヘイトを煽ろうとする根性が透けて見える分、陋劣なやつ ・これは訓練されたヘイト心情が分かりやすく発露した話

ドサクサまぎれに何かやってんな/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.2-24.6.8)

明日施行なんですよ、改「正」入管法。ドサクサにまぎれて永住許可取消の権力をフリーハンドで入管に与える、てなプロセスも結論も言語道断の内容の改「正」。

「そもそもなぜ、永住許可取消しが今回の改定法案に入りこんだのでしょうか」/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.5.26-24.6.1)

今週というか少なくとも今年読んだなかでいちばん首がモゲそうなほど頷いたテキスト。 これら前段の、技能実習の看板をかけかえて育成就労にしたからってダメだよパートもさることながら、今回の改「正」における最も恥ずべき汚点、こっそり永住権剥奪しやすくしちゃうぞパートについての言及こそが白眉。 いやー良いスピーチ。 発言者はUS国務省から「人身売買をなくそうとする戦いに挑むヒーロー」に選ばれたことがある(2013年)ひとで、つまり日本には人身売買がある。という前提ありきの選出だった