マガジンのカバー画像

移民国家としての日本

307
マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

記事見出しにつられて律義に踊らなくてもいいのよ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.23-23.7.29)

ここ数週間ネットを沸かせるようなトピックが少なかった外国人労働者界隈でしたが今週はイカニモな見出しに多くの釣果が確認されていました。 パッと見は日本の相対的な地盤沈下、と読める見出しですが、違うんですって。 ・EPA(経済連携協定)という仕組みで来日する人数が減っている ・技能実習、特定技能より古いスキームで ・来日要件はほかの在留資格に比べ厳しく、来日後の延長要件も厳しい ・つまり申込数が減っているのは今に始まったことではなく、自然 個人的には残念なバズらせ方としか言えな

文化は渡来するものだった国で暮らしながら/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.16-23.7.22)

相変わらず暑いから、でもないでしょうが(そらそやろ)大々的に世間の注目を集めるような大ニュースはなく、個人的に目を惹いたのは1ヵ月前のこの件。 後追いした独自報道が出たのですが 掲載タイミングが早すぎて不起訴確定前っていうね。 本件、初報当時にもまあまあ気になったので当欄でも言及したのですが、詳報を読んでも逮捕された男性の在留資格に対する明示がなく って技術・人文・国際ビザならそう書くであろうところを変にぼかした書きぶりで、結論「高度専門職1号ロ」いわゆる高度人材とし

酷暑御見舞/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.9-23.7.15)

今週はさして大きなトピックはなく-というと語弊がありますが たとえば政府がホメてもらえるだろ顔をするこの話も 本音が先に漏れ聞こえてきていた分、無の表情になるしかなく。 ■同様に、ちょっといい話ふうの報道を無邪気に読むにはいろんな予備知識が脳裏をよぎってしまうことが多い昨今です。

メイキング・オブ・バンリュー/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.2-23.7.8)

フランス全土にひろがる暴動もさることながら、世界規模で遍在するフェイクを混ぜて祭に参加する勢、うかうか乗っかる勢などが可視化されて頭が痛いっすな。と思っている昨今ですが(ちなみに今週のサムネイルもその『アテナ』2022から拝借) 対岸の火事ではない、と数週前からゼノフォビア界隈が主張していた埼玉県川口市における騒動、彼らの言う通りほとんどのマスメディアが取り上げてこなかったのがようやく今週報道されまして。 個人的には ・何が起きているのかヘイト要素を除いて教えろください

沈むべくして沈む/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.25-23.7.1)

ギリシャ沖で沈没した移民船のニュース(6.18)、その後起きたタイタニック見学潜水艇消息不明(6.22)に上書かれ、あっという間に関心が薄れているわけですけれど、ニューヨークタイムズが昨日掲載した記事「全員が絶望的だと分かっていた。救いの手は差し伸べられなかった」を遅ればせながら読み、暗然としました。 ・ギリシア当局は移民船が自力航行できない状態にあったことを沈没する13時間前には把握していた ・SOSが数えきれないほど出ていたのに誰も何もしなかったのはEU圏における移民受