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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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2023年4月の記事一覧

2年前、廃案になったときと何が違ったか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.4.23-23.4.29)

定点観測の価値はこういうときにこそ発揮されるので、2年前の報道がどんな感じだったか、当欄バックナンバーで振り返ってみましょう。 ちなみに1年前。 ■そこで問う、2年前は廃案になったものがなぜ、今年、衆院法委を通過してしまったのか 問う、と書いた直後に恐縮ですが、一応の解は用意してあります。 ・ウィシュマさんが亡くなった3月に潮目が変わった ・というか2月時点では世間的にはほとんど無風だったので、ひとりの女性が社会に与えたインパクト、大きかったんですね ・COVID-19

#投票ポスター2023/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.4.16-23.4.22)

先週、やたら盛り上がった技能実習制度「廃案」。発端の有識者会議が実は今週も開催され、中間報告書(たたき台)だったものが更新、中間報告書(案)(修正履歴付き)、として公開中。 少なくともこの経緯に報道価値が無いとは思えないんですけど、先週あんなに騒いだ各媒体、ほぼガン無視。何だったのあれ。 下記は、そんななか、律義に反応していた日経。 あと読売も要は人材確保っすよね、と端的なまとめをして いや、それでも残った人材育成の文字の上から目線が気になるんだよな、という在野のリアクシ

技能実習“廃止”報道/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.4.9-23.4.15)

「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第5回)」の開催は4月10日(月)10:00-12:00と記録されていますが、同日の報道は朝日新聞が11:45、毎日新聞11:47、日経新聞11:55と各紙とも素早く、それって報道が呼ぶリアクションに希望する形が官に在るから。じゃないですか。 どこもかしこもてーへんだてーへんだ、って勇んで駆け込んできて大きな声で技能実習の廃止を触れ回る、おかげさまでみんな「廃止か!」って浮き足立ちましたが、その裏で国民に目を向けても

法務大臣ウォッチャー、盛り上がる/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.4.2-23.4.8)

年頭所感の4代読み比べ。なんてニッチなことをやってみたり法務大臣の動向については一家言あるんですよ私。 すなわち今週個人的に最も盛り上がったのは存在感が希薄な現任法務大臣がなんか言った件。 動画を見せるな。というクレーマーっぽいこの発言、前段には弁護団による動画公開があるわけですが…… 動画見せろ/見せない談義において、私の意見は一貫しています。 映画『セブン』(1995)でブラッド・ピットが見てはいけなかったものを見てしまうシーン、あれと同じだからやめときなよ。 た

ผีน้อย/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.3.26-23.4.1)

今週へー。ってなったニュース タイにおける韓国カルチャー人気の一端、たとえばBLACKPINKドキュメンタリーを通じてうっすら認識してはいましたが、そういえば韓国における「非正規在留外国人」の代表がピーノーイ(小さな幽霊)と呼ばれるタイからの出稼ぎ勢なんですよね。 彼らの多くはイサーン地方出身で、韓国語と母語のイントネーションが似ていたり故郷の食材(赤蟻の卵とかアゼネズミとか蛇とか……)がタイよりも簡単に手に入ることもあって、社会の空隙で息を殺しながら暮らすのが本邦におけ