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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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2022年10月の記事一覧

移民国家だよなー。ってしみじみ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.10.23-22.10.29)

先週に引き続き、円安で大変だニュース多数。 テレビ局が取り上げがちなのは ・絵にしやすい ・これまで月5万円の仕送りだったけど7万円にしないと現地通貨換算で同じにならない、みたいな「数字」の分かりやすさ ・視聴者の大半が共感する「大変」な現実 3拍子揃っているからでしょうけど、一方でね、次のようなニュースも実は全国で同時発生しているんです(=統計が公開されたタイミングだから) 外国人技能実習生が働く県内事業所 7割超で法令違反|NHK 宮城のニュース外国人技能実習生が働

円安でちょっとは頭が冷えた/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.10.16-22.10.22)

技能実習制度のアカンところは広く知られるようになったものの、既に強固に築かれている既得権益がある以上、特定技能に収斂させる掛け声も実効性ないよねえ。と誰しもが思っていたところ、意外な形で「今のままでは誰も来てくれなくなる」未来図がくっきり浮かび上がってきました。 世界経済の大きなトレンドのなかで対策できることがあるとすれば、それは「日本で働いてよかった」と思える環境を社会全体が目指す。ってことじゃないですかね。具体的には? ■人権無視はやめましょう 妊娠理由に帰国催促

技能実習悪玉論はいつ成立したか(=結論出せず)/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.10.9-22.10.15)

2019年9月1日から毎週更新しているので、たとえば毎日新聞の(有料)記事(の無料部分だけ)を目にしたネット界隈が「技能実習制度なんてとっとと廃止すべきだと俺たちは何度も言ってる」「送り出し国のベトナムもようやく理解が追い付いたか」「日本は楽園ではない、そりゃそうだよ」みたいになっているのを見るにつけ、2019年9月、技能実習というワードですら浸透していなかったあの頃から、日本は変化したんだな。と思うわけ。 そこでGoogleトレンドの「技能実習」を2004年以降で見るとこ

大学を退学した外国人留学生の7割は不法滞在者に(=韓国の話)/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.10.2-22.10.8)

日本国内のニュースが意外性に乏しいやつばっかりなので意識的に海外のトレンドを見ていたのですが、最初に目に入るのはお隣の国。 ちょっと前までの韓国なら「外国人留学生」といえば中国からの流入を指していたはずが、今回の記事まわりを見ると国籍もバラエティに富んできているようで、なるほど日本に似た感じ。 ちなみに「これからは外国人高度人材が必要だ」ってものすごく既視感ある記事が出ていたり 農業や漁業の労働者が不法滞在化しがち。って話とか、本当にお隣だな。 ■ふーん? って思った

首相 外国人の高度人材確保へ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.9.25-22.10.1)

それっぽい発言がニュースになる都度、アンテナが反応する仕組みになっている当欄。今週も首相が何か言ったので気にするわけですが そもそもこの件、8月に「留学生30万人計画」の見直し指示、という報道がありました。 9月。必要なら在留資格についても考えなきゃ、という発言。 これらの議論で挙がる「留学生」というワードが本邦では「労働力」を指してきた、という不都合な事実に目を向けまいとする官邸、その意向を忠実に汲む広報機関こと"国営"放送局。 みたいな構図のせいで、結局何が言いたい