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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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2021年3月の記事一覧

技能実習制度なんかやめちまえ。と言う前に知っておきたい3つ/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.3.21-21.3.27)

創設期からウォッチしているので小さかったあの子が立派になって。ぐらいの感慨で見守っている本屋大賞ですが、いまだに第10回が果たした役割についての私見をまとめておらず、それが気持ちのうえでのしこりになっていることを、とある新聞記事を読んでいて思い出しました。 ヘイトを撒き散らすような人物を世に送り出したことについて、せめてもうちょっと苦い顔であれ。私のオキモチ概要はそういうことなので、書けばいいようなものですけど、ただ……面倒じゃん? 自分の立場の説明も面倒だし、相容れる要素が

信頼できない語り手問題/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.3.14-21.3.20)

たとえば一人称で事件の顛末が語られるとき、それが100%真実とは限らないですよね。主観が入るから。そんなことを言い出したらそもそも語り手が嘘をついている可能性だってあるし……という叙述技法がミステリ小説などにはあって、話者を「信頼できない語り手」と呼びます。 今週のnoteで最初にとりあげる記事を読んでいたとき、真実を述べます。って顔をしているこいつが嘘をついている可能性あるよね? というようなことを考えていたら、ちょっと楽しくなったんですけど、いいえ、私は彼が嘘をついている

悪を! 叩く!/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.3.7-21.3.13)

こりゃア愉快痛快。って体験を久しくしていない気がして、勧善懲悪っていうけどたとえばアベンジャーズですよ。ヴィランのはずの、サノスもヘラもウルトロンも、彼らなりの言い分がある-という描かれ方じゃないですか。だから叩いてスッキリ、とはなかなかならないし、そしてそのモニョモニョした感覚は、世界のいまをそれなりに反映している。 絶対的な悪=問答無用で倒してヨシ。ってクラシカルな物語構成は普遍性を失い、そも絶対的な悪とは何ぞ。という問いが重要に……何の話ですか。 一瞬トボけてみたもの

技能実習、入管、ベトナム以外の何か/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.2.28-21.3.6)

このジャンルで毎週ニュースを集めているとキーワードがそんなに大きく変わらないことにイヤでも気付くのですが、今週は定番以外のニュースから始めます。東京新聞のスクープ 「内閣府の国家戦略特区で家事支援従事者として就労を認められ、来日したフィリピン人女性206人が、雇い止めや自己都合退職により、大手医療介護人材派遣会社『ニチイ学館』(東京都千代田区)から契約更新されず、うち48人の所在が把握できていないことが同社の調査で分かった」。 当該企業のコメントがなかなか示唆的で。 契約