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KISSACOとKHOHiのこと



KISSACOの本を製作するにあたって、
去年からデザインや構成などの打ち合わせを重ねています。


今まであまりKISSACOというものを俯瞰で
見たことはなかったのですが、
プロフィールや製作歴などをまとめるにあたって、ここに至るまでのことを時系列で並べてみると、あれ、こんなこともしていたんだっけ、
というような自分でも忘れてしまっていることがありました。



私の手掛けるブランドは主に二つあります。

一つはコーヒー麻袋をアップサイクルする
KISSACO(2009年〜)
もう一つは北海道のエゾシカをメインに製作するKHOHi(2015年〜)


この二つに関しては、ブランドイメージも販路や顧客様も異なるので、今まで完全に別物として自分の中では扱っており、展示会なども敢えて別々で出展してきました。

周りの同業者であるデザイナーの方達にも、
え!KHOHiってゆりさんがやっていたの?
と言われるほど。


KISSACOとKHOHiはイメージを分けて、続けてきましたが、どちらもモノトーンスタイルやデニム&シャツなどシンプルな装いにマッチして、長く使えることを一番に考えて作っています。

人がおらず、いつも自撮りですみません
自身もデニムと黒のトップスが定番なので
日によってKHOHiとKISSACOを使い分けます


KISSACOが16年目で、KHOHiが10年目になりますが、その間に時代も大きく変わったことや自分の美意識などにも変化があり、今後どう展開していこうか改めて考えていました。



今回、本のディレクションをお願いしている
大先輩のデザイナーの方が、


"そのままでは扱いづらい麻袋や蝦夷鹿の革などのアップサイクルアイテムや循環コミニュケーションを生み出すデザイナー"

というプロフィールがゆりさんにはしっくりくると思うんだけど。

と言われ、そうだったのか、とはじめて自分が
作り出そうとしているものを認識することができました。


あまり二つを同列に並べたことはなかったのですが、根幹は同じだし、そもそも二つとも自分の感性が作り出していることには違いないからそこまで別物として扱う必要もなかったのかもしれない、と。

代々木上原のSIEBENさんでは
KISSACOとKHOHiの両方を並べていました



私の原動力はすべて、好き、という気持ちだけです。


環境にとって良きことだから、とか、サスティナブルだから、というのは意外と後付けで、本当にただただその二つの素材が好きだから続けており、たまたま素材の背景にある人間関係や環境問題とリンクできたのだろうなと思っています。


KISSACOは、

世界各国からコーヒー豆を詰め込んだ麻袋が日本の港につく

各地のコーヒー店や会社へ届く

空になった麻袋をKISSACOがアップサイクル

中身のお豆を扱うコーヒー店さんにバッグが並び、コーヒー店のお客様の手にも渡る


という流れだけでも国内外問わず、本当にたくさんの方が関わってくださっているんですよね。

KISSACOがアップサイクルする工程においても、国内の色々な加工場の職人さん達が関わってくださっています。

麻袋のシルクスクリーンを入れる職人さんも
コーヒー豆が貯蔵されている倉庫
色々な生産国にバッグもお届けしました
こちらは東ティモール
麻袋のコーティングは
表面は東京、裏面は茨城の加工場で


KHOHiに関しても、北海道でハントされた蝦夷鹿の革が姫路のタンナーさんで鞣されて、その革からバッグを製作する、というおおまかな流れがあり、食肉から皮革まで、鹿の命を一頭いただくまでの工程にはたくさんの方が関わっていると思います。

姫路のタンナーさん
KHOHiで扱う鹿革は植物性のタンニンで
認証を受けているエコレザーです


業種によって活かせる部位も異なるので、
鹿一頭を色々な方とシェアできていることや、
鹿を通して森を守るための循環の中にKHOHiがいることも鹿革を使い続けるモチベーションです。


また、そのバッグを持ってくださっているお客さまも循環の中の一員なのだと思います。

代々木上原SIEBENにて
yohei noguchiさんとの二人展にて、2023


どちらのブランドも核となる思想やコンセプトは同じなので、これからはKISSACOをお持ちの方にもKHOHiの蝦夷鹿革のことももっとお伝えして行けたらと思っています。

鹿革を扱いはじめたときに製作したポスター


今年10周年を迎えるので、KHOHiの方もリニューアルをします。


原点回帰ということでロゴマークの縄紋様を意識したDOKIシリーズをリリースします。

お馴染みのSHOPの看板


primitiveな感性を大切に今の時代を生きる、
というメッセージも込めて縄文土器から
デザインの着想を得ています


使うほどに縄紋様が徐々に浮かび上がってくる仕掛けになっており、経年変化を存分に楽しめるデザインに仕上げました。

昨年末のプレオーダー期間では店頭と
webshopの方からたくさんのご注文をいただき、
まもなく全ての納品が終わるところです

ご注文いただいたバッグの底の部分
縄の輪


3月からDOKIシリーズをフルラインナップで展開するにあたり、今週末から再び主要デザインである上の画像の2型2サイズのみプレオーダー期間を設けています。
*ページの最下部にリンクあります
*プレオーダー期間のみ10%offの特別価格で受注しております。

鹿の生息する森をイメージしたフレグランスも
viscum flower studio の岡本さんにお願いして
製作していただいております

viscum flower studio の岡本さんも森林や環境のことを考えたクリエイティブを展開される
フローリストの方です。

3月にはフレグランスとサシェのセットを
バッグと共にリリースし、森の香りを纏うバッグをKHOHiからお届けしていこうと思います。


とても小さな力ですが、KISSACOやKHOHiのものづくりによってよき循環が生まれたり、
何かに気が付くきっかけになるといいなと思っていますし、物のデザインだけではなく、物から生まれる循環やつながりを作り出せたらいいなと思っています。


KISSACOのコンセプトイラスト
イラストレーターのホソノアヤコさんに
お願いして描いていただいています



今月上旬には北海道に出張した際に雪山に入ると、たくさんの動物の足跡を見つけました。


人がほとんどいない静かな雪山では、植物や動物の気配が濃く漂っていて、そういう場所に立ってみるといかに多くのことが人間中心で動いているかを知ります。



私も今は都市部で生活していますし、経済活動の大切さも知っている上で、できることなら自分の経済活動やクリエイティブが他の側面でも役に立つことであったらいいなと思っています。


すみません、
つい熱く語ってしまって。

でも、とても本気です。

ぜひぜひ今後ともKISSACO、KHOHiともに、
ご贔屓に!


KHOHi / webshopにてオーダー受付中です


雪山の中の切り株に座って聴いていた一曲を。

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