コトダマ様 一日一柱6:Inktober2019day7
こんばんは、もう言い慣れましたね、記録係です。
今日もまたぞろinktoberなんですが、文章がちょっと長いのでtxtにしました。
七日目のお題は「ENCHANTED」。
英語の勉強になるなぁ、魅了されるとか魔法にかかるとか、そういう意味ですよね。
なんかですね。
インクトーバーって、日頃の自分が描かないような絵を、お題に合わせて描かされてる訳なんですが……。
これすげぇ楽しいな。
しかも、久々に紙に描くって。滅茶苦茶思い通り描けるな。
しみじみ思った。
漫画家志望の人、楽しんで描くのが一番いいぞ。
って、俺が言うなって話ですが。
* * * * * *
で、今回は、タイトルと違ってコトダマ様でなく、琴子さんです。
琴子さんに、珈琲店をやるきっかけは?と聞いた時、琴子さんの前からここは喫茶店だと知ったんですが、その時に彼女は「魔法だった」と言ったんですよね。
あ、いや、琴子さんが言った訳じゃないんですが。
「その人」が飲む真っ黒な飲み物があって、それが滅茶苦茶美味しそうだったと。
琴子さんが見つめると、美味しそうに飲むんだけど、琴子さんは貰えなくて、代わりにミルクたっぷりの紅茶を貰ったそうで。
その人が不思議な道具で淹れる黒い飲み物が、長い事琴子さんには「魔法だった」んだそうだ。
でもその道具はある日壊れてしまった。
何年も経って、似た道具で淹れてくれた珈琲を初めて飲んで、琴子さんは驚いた。
香り高くて、苦いのにさっぱりしていて、初めて知るそれは「魔法だった」と。
琴子さんはその魔法にすっかり魅了されて、今に至るそうです。
でも。と琴子さん曰く。
今になって思う、あの時彼女が美味しそうに飲んでいた魔法の飲み物は、珈琲だったんだなと。
でも同時に。
彼女があの時、美味しそうに飲んでいた魔法の飲み物を淹れた道具は、壊れてしまった。
だとしたら、あの道具で淹れていたのは、本当に珈琲だったんだろうか。
あれはやはり、魔法の飲み物だったんじゃないだろうか。
―――― 正直。
俺はこの話をした時の、琴子さんの微笑みが忘れられないんですよ。
滅茶苦茶優しい、でもすごく寂しそうな笑顔で、彼女の中には多分、物凄く色んな感情が有るんだろうなと思えたので…。
だから「ENCHNTED」って聞いた時、絶対これだと思った次第です。
ではまた、次のお題で。