次の一歩はどこに置くのか
人生を支えてきた存在に節目が訪れるとき。喪失感も悲しみも淋しさもあるけれど、なんとも言えない不安を感じるケースもある。今まさにそれ。
2020年12月1日。小林賢太郎さんが、パフォーマーを肩書きから外し、表舞台を退いたと知った。あれから1年。結構ちゃんと受け入れて生きてきた。
また舞台で観られるものだと思っていたから、とても驚いたし、ショックだった。でも、発表されたコメントは、「なるほどそうなのか。そういうことなら作品を楽しみに待っていることにします」と思えるもので。
おーけい、淋しいけど受け入れます。と、割とすんなり受け入れられたように記憶している。ショックだったけど。その割には、ね。
最後まで常温で楽しんでほしいという氏の思いで、事後の発表としたと記憶している。
そして、2022年の1月末日をもって、Angeloが無期限活動休止する。
こちらは始動してから15年、ずっと観続けてきた、まるで人生みたいなバンド。前身のバンドから観ていたので、メンバーによっては20年以上観ている。彼らを共通項にできた人間関係もあり、ほんとうに人生のよう。
活休とか嘘でしょ、っていうかっこよさ。いつだって最新が最高なのよね。
気持ちの整理をするには時間が必要という考えから、半年の猶予をもって発表された。おかげで少しずつ前へ進めているようには感じるものの、ライブが観られるのはあと何回、など、急に込み上げる寂しさがあることは否めない。
賢太郎さんの引退のときは、ショックながらもAngeloがいたから、「あぁ、わたしにはまだステージに観たい人がいる」と思ったもの。
それが、今回はなくなってしまう。
メンバーは別の活動をするだろうし、わたしはそれを観に行くのだと思う。でも、自分の15年を支え続けた軸足を上げざるを得なくなった今、次はどこに置けばいいのか。困った……。
賢太郎さんは新しい作品をつくっている。Angeloのメンバーは、それぞれ違った形で活動をしていくのだと思う。じゃあわたしは?
これまでどおり、エンタメの消費者として作品を享受するために、これまでどおりに働くのか。はたまた、自分も誰かになにかを提供する立場になるために動き出すのか。現状、圧倒的に後者を取りたい気持ちが強い。
1月半ば、活休前の最後のライブを終えた時に、どう感じるのか。そのときにならないとわからないけれど、大きく前進できるような気持ちでありたいと思っている。
どうするかが見えたら、この薄ぼんやりとした不安みたいなものが晴れていくのかもしれない。
決まっているのは、前向きに、次の目標を見定めながら、自分を好きでいられる選択をするということだけ。