65 何日かぶりに夫と対面、対峙する
話をZへの直談判、夫への離婚宣言に戻す。
出張中の夫の不在の間に都内の不倫相手Zに会いに行き、直談判をした。慰謝料の合意書にサインをさせ、夫とは離婚が成立するまでは連絡をしない約束もさせた。
出張中の夫にはZへ会いに行ったこと、離婚すること、夫に拒否権はないこと、裁判まで持ち込んでも勝ち目はないこと、自宅には二度と足を踏み入れさせないことを伝えた。
また出張から帰ってZと面会するとZにペナルティが課されることも伝えた。
出張から戻ったその週末に、夫とカフェで会う約束をした。
会って話す内容は、Zとの関係、加藤なおみとの関係、そしてその他、非表示リストにいた怪しい女達との関係について。
その後に、慰謝料の金額を詰める。
子どもたちの親権と養育費については最後に話す議題とした。
やってきた夫はうつむいている。
わたしは謝罪の言葉を聞くために、口を開かずにいたが、開口一番の謝罪もなく、ただだんまりを決め込む姿に顔を歪めた。
黙る夫にわたしは言った。
「電話でも話しましたが、すべてを知りました。今日は嘘をつかずに話してください」
会話はもちろん録音している。
夫から話を始めないため、わたしの質問に答えてもらい自白の証拠を録った。
Zのこと、加藤なおみのこと。
非表示リストに載っていた特に疑わしい三人の女についても聞いた。この三人に関しては自白が録れたら、内容証明で慰謝料の請求をしようと思ったためだ。
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