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言葉をここに置いておこうと思う(ライブレポート on TK "Killing you softly" at 大阪市中央公会堂 2014/2/27)

9列目、前のほうじゃーん!と思いきや、
行ってみたら9列目でも半分より後ろになるという会場の小ささ。
平らな(傾斜がない)床に椅子を並べているだけなので、
後ろにいけばいくほど、ステージが見えづらくなる。
TK様のお顔もほとんど拝めず、手元なんてぜんぜん見えない。
だったら、目を閉じて、音に身体を委ねてみる。
"seacret cm" の響きがきもちいい。ねむりそう。
贅沢。TK様の生歌聴きながらねむれたら、しあわせ。

前半は完全にTK様の一人舞台。
「テレキャスターの真実」、"CRAZY感情STYLE",
アコギでもあんなに迫力のある演奏ができるのであるな。

"white silence", 女声の箇所どうするんだろうとおもったら、
そのままTK様が歌う。
"illusion is mine", 「鮮やかな色は」と「君が見せた幻」の間に1フレーズ ギターの音色が入る。
弾き語りは、原曲とはちがった歌い方・アレンジがきいていた。


"fourth", "flowering" のなかでもお気に入りの曲。
そういえば、この曲の間奏のとき、TK様がなにか言ってるけど、今日なら聞き取れるんじゃないだろうか。
「何重にもかさなってしまう……」で始まるあのささやき、
胸に響くことを言っていた、のに、あっさり頭から抜け落ちてしまった。

ただ、これだけは残っている:

それでも伝えたい何かのために
言葉をここに置いておこうとおもう


もう1曲、未発表曲のなかでも歌い上げていた、
「伝えたい」というきもち。伝わらない もどかしさ/かなしさ/さみしさ。
「透けて見えたらいいのに」って、歌ってなかったっけ、曖昧な記憶だけど。

時雨を聴き始めた当初は、正直、イイタイコトはよく解らなかった。
解らないことが、その当時は良かった。
でも、最近、解る。伝わる。そういう詞に変わっているきもする。
ああ、TK様も、伝えたいのであるな。
だから歌っているのであるな……。


あの日、胸のなかにあった さみしさとか苦しさとかは、
言葉にしなくて(あるいは、しないほうが)よかったのかもしれない、
もし、わたしのこころが透けて見えたなら。
でも、言葉にしないと何も進まなかった。
それで口からでてきたのはしょうもない言葉ばかりで、その晩から後悔した。
ちがう、あんなことじゃない、伝えたかったのは……。

ただ、ほんとうに言いたかったこと(もしくは、言うべきだったこと)は、いまでもわからない。
いずれにしても、後になってから こんなところに書いたって、もう伝わらないのにね。

・・・伝わらないのにね。

そういえば、あれは、4日 (fourth) だったっけ・・・

ひとつぶだけ、なみだがこぼれた。


ライブの夜が明けたら、あたたかい日がやってきた。
TK様の歌が、春をつれてきたような朝。

相変わらず、セトリやMCの情報がないレポートで、それを求めてきた人にはsorry.
でも、会場の空気、流れていた音をがんばって言葉に変換したところで、
その場に居なかったひとには伝わらないとおもうの。
だったら、わたしはあの場所で思ッタコト感ジタコトを伝えようとおもう。

伝わらないかもしれないけど、
言葉をここに置いておくよ。


(『凛として世界』2014/02/28 記事 再掲)

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