父のこと

父はハンカチを持ち歩いていた。タオルハンカチではなく、薄い布のハンカチ。洗濯後に母がアイロンをかけていた。たまにわたしもお手伝いでアイロンをかけた覚えがある。色は紺などのダークな色が多かったように記憶している。

小さいころ、わたしが泣くと父はズボンのポケットからそのハンカチを差し出してくれた。
あのへたへたのハンカチがなつかしい。

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