『俺の家の話』の話 第六十一試合
レフェリーをやる上で気を付ける事のひとつにポジショニングがあります。
どの位置で攻防を見るか、どこからカウントを数えるのか。
そして単純に攻防や勝敗を見るだけでなく、可能な限りお客様の事も気にしなければいけません。
ずっと同じ位置に立っているとその後ろのお客様は試合が見にくい。
その辺りも配慮しつつも勿論厳格にルールを守り試合を裁く、それが我々の仕事です。
更に気を使わなければいけないのがリングサイドカメラマンさん達です。
スチールカメラマン、TVカメラマンなど何人かカメラマンさんがリングサイドを囲みます。
その方々の邪魔も極力しない。
しないながらも試合は厳格に裁く。
お客さんにも気を配る。
なかなか大変な仕事です笑
さてドラマには当然カメラマンさんがいるわけで。
やはり習性でカメラがあると邪魔できない、どう動いてよいか分からない、撮影開始当初はそうでした。
するとそのぎこちなさに気付いたカメラマンさんが「木曽さん、いつもそんな感じなんですか?」と聞いてくれました。
『あ、試合の時は赤いランプみたいのが点いてる方を邪魔しないようにしたりとか…』
「とりあえず気にしないで一回動いてみて、何かあれば言うから」
なんて優しい方なんだ!
それで一気に楽になりいつも通り動ける様になり。
しまいには『これってどこまで近づいて大丈夫ですかね?』なんて調子に乗って編集の事まで気にかけちゃって。
めっちゃスムーズに試合シーンの撮影が進んだのでした(多分です)
あのカメラは本来無いはずのものだから意識するのもおかしいんですけどね…
こちらはさんたま道場に貼ってあるポスター。
何名か気になる名前の選手が…
そんな俺の家の話の話。