『俺の家の話』の話 第六試合

第一回の放送であった特徴的なシーンはマスクではなかろうか。

長瀬さんの幼馴染でもある出演者の勝村周一朗選手のスーパー多摩自マン…

ではなく、家族との会話以外出演者が全員マスクをしているのだ。

折角の戸田恵梨香さんの美貌も基本的には半分しか拝めない。

それはプロレスシーンも同じ。

基本的には『コロナ禍でのプロレスシーン』で描かれている。

マスクをしているセコンド、スタッフ、お客様。

席と席にはスペースが設けられ、歓声は無い。

でも実際のプロレス会場と同じ様に「思わず漏れてしまう声や笑いは仕方ない」と、かなり忠実に描かれている。

ただ細かく言えば忠実じゃない部分もあるだろう。

うちわやタオルをかざしたり、思わず立ち上がってしまったり。

現実の会場だったら「マナーが悪い」「後ろの人が見えない」「立ち上げるなんて有り得ない」となる。

私も最初はその辺りも細かく監督さんに言おうかと思ったのも事実。

折角ならより忠実な方が良いのではないか、折角の作品なんで突っ込まれ所は少ない方が良いではないか…

ところが、とあるシーンの撮影で少し考えさせられたのだ。

それは選手の動きに合わせてエキストラの方が歓声を上げて、音声だけを録るって撮影で。

選手が技をかけようとしたら「うぉぉぉぉぉぉー!」、返されそうになって「あぁぁぁー」、またかけそうになって「うぉぉぉぉぉぉー!」、決まって「ぎゃぁぁぁぁぁー!」みたいな。

それは本当に些細な撮影?収録?だったのかもしれない。

でもね、私は涙が出そうになったんだ。

リングがあって、パイプ椅子にお客さんが座ってて、本部席があってリングサイドにはスチールのカメラマン(エキストラさん)がいて選手の一挙手一投足で歓声が上がる。

そんなかつては当たり前のシーンがもうかれこれ一年弱体感出来なくなってて。

「あぁ懐かしいなぁ…」

「かつてはこれが普通だったんだんだなぁ」

それは選手たちも同じだった様で。

まぁ翔太さんと上野なんですけど。

そこで私は監修の立場としてやらなければならないと思ったんだ!

『監督あの…』

「はい、何かありました?」

『あの観客のリアクションなんですけど…』

「はい…?」

『あの、何でもありません!』

せめてドラマの中のプロレスファンの皆様には出来るだけ窮屈で寂しい思いはさせてはいけないと!

そんな俺の家の話。




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