『俺の家の話』の話 第二十四試合
急遽出る事になった第一話と違い、前回の第三話はレフェリーでの出演を依頼されていました。
『コタツさん以外のレフェリーが必要なシーンがありまして、上層部が是非木曽さんにお願いしたいと言っております』との事で。
実は撮影前に色々あったのですがそれはまた別の話として…
いざ撮影が始まったらスタッフさんに言われたんですよ。
『木曽さん、普段の試合と同じ感じでやって頂いて大丈夫なので…』
え?大丈夫ですか?結構大きな声出ちゃいますけど…
『あ、大丈夫なんで気にせずやっちゃって下さい!』
なんて言われて。
大丈夫なの?長瀬さんとか井之脇さんの声聞こえなくなっちゃうよ?
まぁいっか、やれって言われてるんだから。
怒られても普段通りやって良いって言ったのは向こうだし。
何て思いつつも一応気を使って俳優さんの声とは被らない様に声出して。
どうよこの立ち回り!なかなかやるでしょ?
なんて思ってたんですよ。
そしたらしばらくして音声さんが来て『木曽さん、すみません。マイク付けさせて下さい』と。
あれ?声小さかったの?そんなバカな…
と思ったら。
まさかの私だけを撮るシーンがあったんですよ。
長瀬さんとか井之脇さんはほとんど映らないのにご協力頂いて。
プリティ原にギブアップが聞くシーンですね。
あ、これがあるからマイク付けたのかと!
まぁそこもいつもの試合と同じ様にやっていたのですが…
テストを終えたらまた音声さんがいらっしゃいまして。
『あの…木曽さん…もう少し声張って頂けますか…?』
まさかの!普段の試合と同じくらいやってたつもりが声小さかった!マイク付けても!
それじゃダメじゃん!レフェリーとしてダメじゃん!もっと頑張らないと!初心に帰らないと!
と顔から火が出る思いでした。
後から聞いたら元々声が掠れてて聞き取りにくい上に流石に俳優さん達と比べるとどうしても声が通らないらしく…
本当にご迷惑をお掛けしてしまって気まずい限り!
ちなみに私がマイクを付けてる間は撮影が止まり長瀬さんや井之脇さんは勿論その場にいるスタッフさん、エキストラさん全員が待っている状態。
そしてそんな日に限って初めて西田敏行さん、戸田恵梨香さんと同じ現場になった日!
わずか1分くらいの時が永遠より長く感じて固まってしまい逃げ出したくなる思い。
そんな私の気持ちを察して下さったコタツ会長こと三宅さんが『はいー!木曽さん待ちでーす!』と弄って下さって!
すみません!本当にすみません!
と大声で謝る事が出来たのです。
そしたら長瀬さんは『全然問題無いっすよ!謝る事ないですよ(笑)本当に大丈夫なんで!』と!
なんて良い現場だ!なんて優しい人達だ!おい勝俣、あんな良い人いないぞ!
私は更に大きな声で「ありがとうございます!ありがとうございます!お待たせしました!」と思わず泣きそうに。
なんて感傷に浸ってる僕に音声さんが一言、
『木曽さん、もう少し声張れないですかね…』
お後がよろしいようで。
あ、ちなみに今回の件があって次の収録は絶対に皆様に迷惑かけない様にしようと心に誓ったのですが。
この誓いこそがとんでもないやらかしを引き起こすのです…
そんな俺の話の話。