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『俺の家の話』の話 第五試合
一人じゃ抱えきれないどころか勝村さんと二人でも抱えきれないくらい湧き出てくる不安、心配、疑問、問題点…
自分達だけで全て対応出来るのか分からない、でもこのチャンスを逃したくない。
他に譲るわけにはいかない、取られたくない。
そんな中で伝えられたのが「基本的には長瀬さんは吹き替えを使うつもりはない」との話。
つまりスタントマン的な方には頼らないと。
更にプロレスの練習もちゃんとしたい!
そんな時にもう一人どうしても声を掛けたい人間が思い付く。
ここ数年のしんどい時間は誰よりも一緒にいたあの男。
誰よりも気が利くはずなのにプロレスが好き過ぎてその話を始めたら周りが飽きてるのに気が付かないあの男。
もし私がプレッシャーに負けてまた逃げだしそうになってこの話を諦めそうになったとしても「ズルして騙して盗み取れ」と言ってくれそうなあの男。
それは勝村さんも同じで僕より早くその名前を口に出した。
「翔太君も必要ですね」
それがあのエンドロールとなり、そして実際翔太さんは現実のプロレス界と同じ様に八面六臂の活躍を見せるのである。
ちなみにプロレス大好き、運動神経抜群の長瀬さんだけでもなく、共演の井之脇海さんも結果的に吹き替え無しでプロレスシーンを演じる事になるのだが…
そこには翔太さんは勿論多くのレスラー達が協力してくれて私は本当に感謝しかなく。
その話も是非追々していきたい、そんな俺の家の話。