望まぬ・・・
2000年ころの話ですが、当時の勤務先は社長以下20数名の小さなサービス会社。それでもその年は景気が良く新卒を3名採用しました。2つの事業部マネージャーをしていた私は3ヶ月間新人研修を行い、明日から新人が業務にアサインというタイミングで、1人の女性社員がお腹が痛いので医者に行ってくると仕事を抜け、戻ってきた彼女は「妊娠6ヶ月でした」と報告。
しばらく生理は止まっているわけだし、おなかが痛いと産婦人科を受診したということは、本人もそれなりに自覚や不安があったのか?だとすると、そこまで会社をだましていたとも考えられるわけで・・・採用面接のときに担当した5人全員◎をつけ、入社後もこんなにピュアな子はいないという評価でしたが、みんなの目は節穴か?と愕然となったわけです。
本人は仕事をつづけながら子どもを産みたいというので、どんな手続きが必要か?あわてていろいろ調べたわけです。妊娠しながら業務を続けるという例は初めてだったので。しかし、次の日父親という男性が菓子折りをもって社長に会いにやってきて「会社は辞めさせます。結婚させます。」という話でした。カンカンに怒った社長は父親には会いませんでしたが、妊娠したことに怒っていたのではなく、なぜ本人が直接そう話に来なかったのか?という点です。
それにしても大学を卒業した女性が妊娠6ヶ月まで気づかずにいたって、日本の性教育はどうなっているんだ!ということです。本人の弁解としては卒業旅行でインドに行ったので、おなかが痛いのは食あたりだと思っていたとのこと。そしていつも不順なので全く気づかなかったと。(私自身のいい加減な若いころのことは棚に上げていますが)開いた口がふさがりません。
せっかく大学で学んで就職し、これからという自身の生活設計がすべてガラガラポンとなってしまうような行動、そしてその後の配慮のなさ。私が必死に教育した3ヶ月を、そして会社の損失も返してほしい。
しかし、この件だけでなく、明日からサポートチームのサブリーダーにアサイン!と決まっていた女性も妊娠して、結婚するのでと退社した例や、不妊治療中の方や更年期の方も、不調と仕事の折り合いで悩む場合もありました。
自身の体調の問題だけではなく、そんなこんな会社の今後に影響するような経験も、ウェアラブルの自動計測機器開発につながっています。