過疎の新たな転換点(農業新聞コラムより)
仕事の関係で農業新聞を読む機会がある。
自分は農業に従事しているわけではないが、(実家の田んぼは手伝っている)なかなか興味深い内容が多い。
今日読んだ紙面コラム「聞いてる話と違うけど(1/12付)」で藻谷浩介(地域エコノミスト)が次のように述べている。(抜粋)
コロナ禍も影響し、日本のみならず、世界で乳幼児(0〜4歳)が減少した。(約−15%)しかし、国内の一部地域では逆に増加に転じており、その多くは共通して過疎の農村漁村である。
超高齢化を迎えて久しい地方過疎地においては、高齢者の自然減に伴い、医療福祉費の減少が起き始めている。それを子育て支援や移住者支援に充てることにより、出生数の増加につながっている。
これはあくまでも藻谷氏の見解であるが、地域経済や人口動向のスペシャリストである同氏の着眼点はやはり興味深い。
地方過疎地はかつての活気(生産世代が多い昭和時代が典型だろうか)をいわば理想として、そこから転落しないよう足掻いている。
しかし、思い返せばそれ以前(江戸時代やそれ以前まで振り返れば良いだろうか)はさらに少ない人口で社会を形成していたのだ。
そのまま過去に戻ることはできないが、技術の進歩を支えとして、人口減少を受け入れ(急激な減少ではなく、なだらかに落ち着くという意味)、幸福度は下げずに過疎化のボトムアウトを狙うという考え方が必要ではないか。(狙うと書いたのは、ただ人口増を待つのではなく、子育て支援や移住対策は必須という意味だ)
藻谷氏のコラムで驚いたのは中国の乳幼児減少は−30%だという。もはや国家の先行きに暗雲が漂い始めている。
かつて、日本の過疎化は世界の先行事例だと聞いたことがある。改めて、自分が生きる今は前例のない状況であり、新たな転換点だと感じる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?