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世代交代の準備、人の場合は?

今日は、とてもすてきな贈り物について
書かせて頂こうと思います。

それは、「ふくれみかん」。

先日、卒業生のうちに泊まりに行ったら、
お庭に「沢井ゆず」が植わっていた、
というお話を書きました。

生物多様性の豊かさを実感、沢井ゆず|樹木も人も笑顔に、樹木医mimi ( 三戸 久美子 )

筑波の名産「ふくれみかん」が、
いつ頃、どのような理由で
青梅地方に行き、
「沢井ゆず」として
この地の名産品になったのか?
その歴史は、ただ今確認中。

ですが、今日書こうとしているのは、
このみかんからもらった
別のテーマについて。

技術的なお仕事をされている方は、
今、日本はこれまで蓄積してきた
技術の継承が、危機的な状態にある、
と日々、身にしみておられるはず。

最近、多発する各種の事故は、
その反映に思われます。

「樹木医」という資格は、
こども向けのキャリアの参考書にも、
だいたい載っているくらいです、
志願者がたくさんいます。

だから、心配ないのでは?というと、
そうでもない気がします。

というのも、資格を持っている人の数と
その分野が必要とする、技術や理念が
きちんと引き継がれていくことは別、
だと思うから。

それはさておき。
今回、このみかんを買ってきて
プレゼントして下さったのは、
長年、仕事を応援してくれている先輩です。

頭脳明晰、行動力・実力ともにあり、
仕事がすごくできる方なので、
厳しいことを言われることも
しょっちゅうです。

人によっては、
あまりそばにいたくないタイプ、
いられないタイプかもしれません。

私も最初はそんな感じ。

でも、この方の言っていることの意味が
あるときわかり、
以来ずっと、そばにしぶとくい続け、
ことあるごとに
意見を聞き続けてきました。

今となっては、この30年は宝物です。

そして、時間が経って、
気づいてみれば、
自分の年齢が、そろそろ世代交代を
本気で考えなくてはいけない時期に。

日頃、樹木の世代交代のことを
いつも考えざるをえないからでしょうか、
自然にそういう発想、心境になれました。

自分がどんなに生きることが楽しくて、
樹木のために仕事をするのが充実していたとしても、
いつか、そのうち、
もしかすると、
今日、明日かもしれないある時、
それは終わります。

だから、若いときとは違った心境で
意識的に、せっせと種をまいています。

若い頃と違うのは、
昔、まいた種が、
あちこちで、すくすくと育っている姿を
見せてもらえること。

これは本当に楽しいし、
勇気づけられます。

今の時代、身の回りは
不安になることばかり、
と言ってもよさそう。

ですが、まかれた種が育っている
その力強いすがたを目にすれば
未来に希望の光が見えてきます、ごく自然に。

不安をどうにかしよう、としなくても。

今、ちょうど大学で講義をしている時期なので、
この「ふくれみかん」も
よい教材になってくれます。

そうして、先輩からもらった恩を
若い人たちに受け継いでいく。

樹木などの自然を身近に見ていたら、
世代交代のために
今、自分がやる必要のあることは
おのずと示される気がしますが、
いかがでしょう?

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樹木も人も笑顔に、樹木医mimi  ( 三戸 久美子 )
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