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℃-uteの記録。

 私が℃-uteというアイドルグループに興味を持ち始めたのは2011年。高橋愛がモーニング娘。卒業を発表したのがきっかけだった。
 他の記事で書くかもしれないが、高橋愛は私をハロオタもといアイドルオタの沼へと引き摺り込んだその第一人者である。
 その高橋愛がアイドルをやめてしまう。さぁどうしよう。当然モーニング娘。のファンは続けるだろうけど、新メンバーが入ったばかりの娘。にプラチナ期のパフォーマンスは期待できない。もっと夢中になれるグループはないものか。

 今、鈴木雅之と一緒に「ダーディダディドゥー」と歌っている元℃-uteの鈴木愛理は当時、高橋愛の正統な後継者とされていた。高橋の歌唱力・ダンス力・パフォーマンス力を引き継げるのは愛理しかいないと。また愛理自身も「高橋さんがいなくなったら誰を目標にすればいいんですか」と泣きながら言ったりして、タカハシスターズなどという言葉を生み出したりしていた。

 それとは全然関係ない場所でわたしは中島早貴を発見していた。アメブロだったと思う。トップバナーの写真がthe brilliant greenの川瀬智子に似ていた。わたしは川瀬の顔が好きだ。もちろん歌も好きだけど。だから中島早貴という名前は瞬時に記憶された。かわいい。この子が℃-uteのセンターなんだろうな。

 ℃-uteのセンターは中島早貴だと思い込んでいたその頃、℃-uteの「超占イト!!」というライブが話題になっていた。ダンスがすごいらしい。試しにYouTubeで動画を見てみる。

 ハロプロの良いところのひとつはオタが上げた素晴らしい動画がむやみやたらに削除されないことだ。一部ではDVDやBlu-rayの売り上げが下がるなんて声も聞こえるがとんでもない。オタが作った愛情溢れる動画を見てハロの沼にハマった人がその後に注ぎ込む金額を計算したら、DVDの一部を公開されるくらい屁でもないだろう。わたしを高橋愛の底無し沼に落とし入れたのも、とあるオタが作った動画だったし。

 kiss me愛してるカッコいい。もっと動画見たい。もっと℃-uteのこと知りたい。ハロプロまとめサイトを漁る。へーもともと8人だったのカー。センター鈴木愛理??なぬ??なっきぃじゃないのか!

 なんと某掲示板によるとなっきぃは歌ヘタのヘタレポジだった。全然歌下手じゃないのに。上手なのに。そしてタイミングよく②℃-ute神聖なるベストアルバムが発売された。ダンスDVD付きだ。よしこれを見て曲を覚えよう。

 2012年12月8日。神聖なるペンタグラム。℃-uteのライブ初参戦。プラチナ期を超えることはないだろうと思っていたけど、すごかった。圧巻のライブだった。℃-uteの5人がそれぞれのメンバーカラーに光るステッキで五芒星の形を作ったとき、頭がぼうっとしてその光景が遥か彼方に見えた。まるで異世界に迷い込んだみたいだった。℃-uteすごい。最近の℃-uteは良いっていう噂は耳にしてたけれどここまでとは。さすがだ。さすがハロプロ。

 多くのオタが予想していた通り、高橋愛の卒業後に℃-uteに流れたオタの1人がわたしだ。推しは決まっていない。なっきいかわいい。でもダンスは愛理の方が好きかな。歌は岡井ちゃんが好き。舞美はもっと世に知られるべきだろう、あんな絶世の美女なのに。マイマイ妹に似てる。ていうかなんで℃-uteはこんなに世間の認知度が低いんだ?もっと注目されてもいいだろう、この子たちまだ10代だぞ?末恐ろしいってまさにこのことだろ。こんなパフォーマンスできるグループ、他にないぞ!

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 いつ見ても泣いてしまう動画がある。「Crazy完全な大人」発売記念ミニライブ。池袋サンシャイン広場。℃-ute初の武道館公演が発表されたリリースイベント。℃-uteはずっと「武道館に立ちたい」と言っていた。いつも会場の入りを気にしていた。名古屋が埋まったときは泣いていた。それがパシフィコ横浜でキャパオーバー。今年の℃-uteの日は武道館って。

 2013年9月9日、満を持して℃-uteは初めて単独で武道館の舞台に立った。池袋サンシャイン広場では9月10日の℃-uteの日に武道館公演が決定したって発表されたけど、9月10日のチケットは取れなかった。℃-uteのチケットが取れなかったのは後にも先にもこの時だけだった。急遽、前日の9月9日に追加公演を行うと発表された。実質9月9日が初武道館だ。

 武道館2Days。℃-uteがつんくから出された課題の一つだった。「武道館2Daysできるくらいを目標に」と言われていた。それが叶った。ニコニコ超会議でのライブパフォーマンスも話題になっていた。この時の℃-uteはノリに乗っていた。

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 清楚なのにエロい。アダムとイブのジレンマで℃-uteは完全にそれをモノにした。武道館公演の前に日比谷野音で行われたハロプロ外フェス。舞美の力で℃-uteの出番の時だけ大雨になった。急遽トレジャーボックスで使用した衣装を着て歌った。わたし的℃-uteの好きな衣装ランキングでTOP3に入る最高に可愛くてエロい衣装だ。そこで初披露されたアダムとイブのジレンマを見たとき、℃-uteの人気は爆発すると確信した。次のシングルでもこの路線をキープできれば。

 結果的には、ここから武道館までがピークだった。
期待していた次のシングルは、可愛さを全面に出した曲とダンスを前面に出した曲だった。℃-uteのスキルの高さを知ってもらうためには良い選曲だったかもしれない。でも、今じゃない。

 いつからか℃-uteには「アイドルが憧れるアイドル」というキャッチフレーズがつけられるようになった。アイドルが憧れるんだから歌もダンスも上手くないといけない。他のアイドルとは一線を画すようなスキルを見せつけなければ。そう思ったのかもしれない。昔B面に収録されてた人気曲をシングルカットしてみたり、ダンスを前面に押し出してみたり、カラオケでは到底歌えない3ラインのハーモニーの曲を出したりしていた。
 そして挙げ句の果てに、今までハロプロとは関わりのなかった別ジャンルの人から楽曲を提供してもらうという謎路線へ突っ走り始めた。

 謎の応援歌から夢幻クライマックスが発売されるまではなんとも言えない空気感だった。あの曲をきっかけに私の心は℃-uteから離れつつあった。一時的なものなら良かった。だけど次のシングルでもエロくてカッコいい℃-uteは戻ってこなかった。かろうじてそれが見られたのがコンサートだ。最後のオリジナルアルバム℃maj9に入っている情熱エクスタシー。あの曲をシングルにするべきだったと今も思う。

 2016年8月。℃-uteは翌年の埼玉スーパーアリーナのコンサートを以って解散すると発表された。

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 解散が発表されてから約2ヶ月後の2016年11月。夢幻クライマックスが発売された。
 その前からYouTubeでは祭り状態だった。先行して公開されたMVのコメント欄は称賛の声で溢れていた。歌も、ダンスも、ビジュアルも、衣装も、そして曲も完璧だった。夢幻クライマックスは、わたしの好きな℃-uteの曲ランキングでkiss meやアダムとイブを抜いて堂々の1位に躍り出た。まさかつんく以外の人が書いた曲を一番好きになるなんて思いもしなかった。そしてこれがラストソングになるんだと思った。素晴らしい幕引きじゃないか。

 あのまま清楚なのにエロい路線を辿っていたら、℃-uteの人気はモーニング娘。を軽く凌いだと思う。アイドル戦国時代の頂点に君臨し、まさにアイドルが憧れるアイドルの名を欲しいままにしていただろう。今韓国アイドルに流れている層さえも取り込めたかもしれない。これは結構本気でそう思う。

 解散を惜しむ声は数え切れないほどあった。解散後に℃-uteを見つけて、ライブに行きたかったっていう書き込みもよく見かける。あれから3年。まだ3年しか経っていないのか。随分昔のことのように感じる。最後のさいたまスーパーアリーナでのコンサートはみんな清々しい顔をしていた。泣きじゃくる子はいなかった。勇退と呼ぶにふさわしい姿だった。

今、音楽を続けているのは愛理だけだ。

おわり。

画像引用;
℃-ute 池袋サンシャインイベント映像 MC:中島早貴【ハロ!ステ#10】
℃-ute 『アダムとイブのジレンマ』 (MV)
℃-ute『夢幻クライマックス』(℃-ute[Dreamlike Climax])(Promotion Edit)

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