植物育種の観点から農業を語る(2023.2.17)イベントレポート

こんにちは、学問バーKisi 店長の豆腐です。

今回は、2/17に行われたイベント「植物育種の観点から農業を語る」のレポートをお送りします。
日替わりバーテンダーを務めてくださったのは、東京農工大学で農学(植物育種)を学んでおられ、来春からは同大学の大学院への進学が決まっているダムさんです。


ダムさんは、農学の中でも「植物育種」という領域についての研究に取り組んでおられるとのこと。
なかなか馴染みのない言葉ですが、いわゆる「品種改良」もこの植物育種という領域の中に含まれると聞くと、なんとなくどういうことをやっているのかがイメージできるのではないかと思います。

開店から30分くらいで客席の8割近くが埋まったのち、ダムさんから板書を用いての講義形式のトークが披露されました。
そもそも農学とは何をする学問なのか、農学にはどのような分野が含まれるのか、「品種」の定義とはどのようなものなのか、具体的な植物育種の技術としてはどのようなものがあるのか、といった点について、詳しいお話をいただきました。
農業に関心の深いお客さんが多く来店されたこともあり、終始大いに盛り上がっていました。

レクチャーが終わってからは、お客さんのそれぞれのご専門や興味・関心分野について店内のそこここで盛んに情報交換がなされ、皆さん大いに楽しんでおられました。
農工大産のキウイフルーツを使ったオリジナルドリンクも売れ行き上々で、まさに「学問バー」のコンセプトにふさわしい一夜となりました。

ちなみに個人的に面白いと感じたのは、「ある品種を別の品種と分けられるかどうかは、農業的な観点から見たときに両者の間に特徴の差があるかどうかによる」「ある雑種に表れた特徴をヘテロシス(雑種強勢)とみなすかどうかは、それが農業的な観点から見て有利な特徴かどうかによる」という話でした。
ダムさん曰く農学の究極目的は「農業という営みのコストパフォーマンスをいかに上げるかを考えること」にあるそうですが、その観点が品種と品種の区別の付け方やヘテロシスのラベリングにも表れているように思いました。
ある集団とある集団を分ける基準の持ち方は分野によって変わってくるということを、あらためて実感できたお話でした。

ダムさん、あらためて今回はありがとうございました!
次回は3月15日に「種子休眠性と植物育種(仮題)」と題して、ご専門の内容についてより詳しくお話を伺います。
皆さんぜひ遊びに来てください!

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