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6年「一さいから百さいの夢」【よりよく生きる喜び】の指導案はこうする!

こんにちは。
6年「一さいから百さいの夢」【よりよく生きる喜び】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

「よりよく生きる喜び」
この内容項目は難しいんですよね~。
5・6年(高学年)にしかない内容で、
教材も1つか2つしかない。

授業をした後で、
「結局、なんだったの?」と
手ごたえなしで終わることが多いですよね。
今日はこの難しい内容項目を解説します!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「よりよく生きる喜び」
5・6年の目標・・・よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し、人間として生きる喜びを感じること

6年生「一さいから百さいの夢」(光村図書)

あらすじ
人は生きていく中で様々な夢をもちます。
「日本ドリームプロジェクト」という計画で、一歳から百歳までの百人にお願いして、夢をかいてもらった。

ーー
12さいの夢

長距離トラックの運転手になりたい。
いつか自分のトラックで日本一周してみたいなぁと思います。

ーー
16さいの夢

私の夢はオペラ歌手。
私は、歌が好きと胸をはっていえる。
私の歌を聞いて、救われる人が一人でもいてくれるなら。

ーー
22さいの夢

花火師になること。小さい頃から変わらない。
大学院で火薬学を専攻。
みなに喜ばれ、感動してもらえる花火を作りたい。

ーー
47さいの夢

私は会社を創って仕事をしている。
日本人の足とくつの環境をよくし、みんなで「元気で百さい」をむかえたいと願っている。

ーー
74さいの夢

定年退職を機会に、老人デイサービスセンターでボランティアをした。今は、74さい。10年間のボランティア活動にけじめをつけ、引退。
健康を取り戻したら、もう一度と思っている。

ーー
100さいの夢

100歳にもなればその道が見えて
人生も時節時候と似たりですぎたことから春夏秋冬があると思う
自然と同じかと思う

2 内容項目と教材

(1)内容項目について

「よりよく生きる喜び」という内容項目は、
今回の学習指導要領になって初めて加えられました。
つまり、それほど実践が世の中にありません。
授業づくりに困っている先生は実は多いのではないでしょうか。

内容項目の目標をもう1度確認してみます。
①よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し、
②人間として生きる喜びを感じること

①では、偉人や人として模範となる人について考えること、と言っています。
何について考えるのか。

それは強さ気高さです。

これは、どちらも心のことを指します。
心の強さとは、人によって定義が異なることでしょう。
つらいことにも負けない精神的な強さ。
優しさを発揮することで第三者に伝わる強さ。
いずれにしても、心の強さは人から教え込まれるのではなく、子どもが自分で気づくことが大切です。

気高さも同じです。
気高いと聞いて思い浮かぶ人物は誰ですか?
私は、
ドラゴンボールのベジータ・ピッコロ
ワンピースのゾロ
などが思い浮かびます。

自らの考えを大切にし、決して他人には強制をしないが、
自分自身には徹底して厳しく在り続ける。
そんなところでしょうか。
「プライドと誇りを兼ね備えている」と言ってもでしょう。

ベジータ、ピッコロ、ゾロなどは極端な例ですが、
誰しも心の強さと気高さをもっています。
そのような、人が本来もっている心の本質について、
教材で出てくる人を扱いながら、自分の心にも似たものがある
と気づくことが、この内容項目では大切なのです。

それが、②人間として生きる喜びを感じることにつながります。
困難にぶつかっても、人の助けや得意なことがあって、再び頑張ろうと思えることがあります。
自分で見つけた道を突き進むと、つらいこともありますが、やってよかったと思えることも多いですよね。

「成長したい」という気持ちは、人間が本来もっているものです。
その成長欲を満たしたとき、人は「生きててよかった」と思えるのです。

これは、欲しいものを手に入れたとか、
好きなものを食べることができた、
という短期的で一時的なものではありません。

長い時間をかけて、努力が実り、
成長が成就したと感じられるほどの
努力を注ぎ込んだときに、
「生きててよかった」と思えるのです。

おいしいものを食べたときに
「生きててよかった」とおいしさを表現するシーンがありますが、
あれはただの誇張表現です。
道徳的に考えると、本質とは異なります。

と、「よりよく生きる喜び」だけでもこれだけ説明が長くなります。

結局、どうやったらいいの?
はい、前置きが長くなりました。

結論を言います。
教科書に出てくる作文を見て
「〇〇さんはすごいなあ。」と
自分とは別次元という感想を
もたないような授業を心がけましょう。

また、「生きる喜び」は人それぞれちがう、ということも押さえましょう。

Aさんがこれに心を打たれるから、
BさんもCさんも同じようにそれを生きがいにする、
という話ではないのです。

生きがいを見つけるのではなく、
「生きがい」があると、生きててよかったと心から思える。

そんな心の動きを議論できるようにしましょう。

偉人だろうと、有名人だろうと、同じ人間です。
成長したい欲もあるし、挑戦するときの恐怖もあります。
教材ではよい部分だけをピックアップして描かれていますが、
書かれていない裏の部分を発問で突いて、考える機会を設けることが、
内容項目に迫ることにつながります。

(2)それぞれの人の喜びを考える

では、教材を見てみます。

全部で5名の夢が書かれています。
みんな、夢を語っているので
②に重点を置いて考えましょう。

ここで大切にしたいのは
「いくつになっても夢を持ち続けることが大事」
ということです。

12歳、16歳は、将来の夢をもっていても
当たり前でしょうが
22歳、47歳、74歳、100歳となると
「この年になると将来の夢って、もうないのではないか?」
と思ってしまう子もいそうです。

「大人」というぼんやりした存在は
今の自分の延長上にあるということを
実感させる必要がありそうです。

夢を叶えたら、また新しい夢ができる。
いくつになっても、夢を持ち続けることが
「生きる喜び」につながる。

そのことに、子どもが気付けるようにしたいですね。

また、「希望」というキーワードも大切にしたいですね。
どの作文も、将来に希望をもっています。

将来に対して希望をもてるから、
夢をもてるのです。
人は、希望がなくなったとき、人生という道を進む力を失います。

希望のある人生を送る。
それが夢をもつことの本当の意味ではないでしょうか。
このことが展開や終末で触れられると、最高に感動する授業になりますね!

(3)35番目に「生きる喜び」がある意味

1番目の教材で「まどさんからの手紙」
そして最後の35番目の教材で「一さいから百さいの夢」
いずれも内容項目は『よりよく生きる喜び』です。

『よりよく生きる喜び』で始まって、
『よりよく生きる喜び』で終わる。

道徳の入り口と出口を『よりよく生きる喜び』で引き締めることで、
一年間の道徳の学習が実りあるものになるような配列になっています。

今回の「一さいから百さいの夢」は、
『生きる喜び』を各年代の夢にスポットを当てて
考えることを軸にすればいいですが、
1年間道徳を学習してきた子どもたちは、
もっと広い視点で考えるでしょう。

それはもう、教師の想像を遥かに超える思考の幅になっているはずです。
子どもたちの思考が自走し始めた証拠です。

1年間の道徳の学習の集大成として、
そして、6年間の道徳の学習の集大成として、
子どもにハンドルを握らせるような道徳をしてみてください。

きっと、授業者も子どもも「楽しい!」と思える、
そして感動的な「一さいから百さいの夢」の授業ができるはずですよ!

3 導入

T:教師 C:子ども

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