4年「小さな草たちにはくしゅを」【自然愛護】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『4年「小さな草たちにはくしゅを」【自然愛護】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
「自然愛護」は、Dの視点です。
Dは、感動や生命の尊さ、そして自然愛護など、
崇高なものとの関わりです。
結論から言うと、
言葉にすると安っぽくなるため、
まとめは無理に言葉にしなくてよい。
これをまず、覚えておいてください。
「命は大事」
これは、子どもは授業を受けなくても知っていることです。
「感動することは素晴らしい」
これも、知っています。
「自然は大切」
これも、わざわざ道徳で扱ってもらわなくても
知っていることです。
これらのことを、45分かけて確認しても、
面白い授業になるとは思えません。
知っていることの確認ではなく、
なぜ大切なのか、なぜ素晴らしいのかという
理由を議論することで、本質に迫る視点であることを
押えておきましょう。
それでは、教材を使って詳しく解説します。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「自然愛護」
3・4年生の目標・・・・
自然のすばらしさや不思議さを感じ取り、自然や動植物を大切にすること。
4年生「小さな草たちにはくしゅを」(日本文教出版)
あらすじ
りょうたは、道ばたで花を見つけた。空色のかわいい花。辺りを見回すと、道路のすみやコンクリートのわれ目のところにもいろいろな草が生えています。
家に帰って図鑑で調べました。すると、見つけた花の名前は「オオイヌノフグリ」とわかりました。他にも、「ハハコグサ」「ナズナ」「ネジバナ」「スミレ」などたくさんの花の名前がわかりました。
りょうたは、絵地図に見つけた草の名前やとくちょうを書き込むことにしました。
ほこりにまみれたり、ふみつけられたりしながらも生きている小さな草たちが、なんだかりっぱに思えてきました。そして、そっと拍手を送りたくなりました。
りょうたは今度は「夏の草たちの地図」を作り上げようと思っています。
2 内容項目と教材
①自然愛護とは
「自然愛護」は、人と自然の関係をまずは考えなければなりません。
自然と人は、対等な関係なのでしょうか。
それとも、人が上? 自然が上?
考えてみたいですね。
「自然保護」という言葉があります。
保護とは守ることです。
ということは、人が自然を守るから、人の方が立場が上なのでしょうか?
結論を言うと、自然と人は、どちらが上ということはなく、さらに分けるものでものでもなく、自然と人は共存するものなのです。
自然の中に人がいて、自然と一体となっているのです。
授業をする際は、授業者は、人と自然と分けて理解するのではなく、共存している、さらに自然の中に人がいる。
人は自然の中に生きている存在である、ということを押えておく必要があります。
②りょうたと自然の関係を考える
りょうたは、道端の花に気づきました。
そこから、周りの花の存在に気づき、調べたり絵地図にまとめたりします。
当たり前のように書かれている「花の存在に気付く」ことに注目しましょう。
ふだんは、『雑草』と言われて、邪魔なものとして扱われる草花たち。
コンクリートの割れ目など生えてこなくていいところに生えてくるので、その存在はあまりいい感情で受け止められません。
りょうたも、これまでは生えていることには気づいていたでしょう。
しかし「花を咲かせている」雑草に対して「おっ」と思ってまじまじと見たのは今回が初めてです。
なぜ、りょうたは今回、花の存在に気づいたのでしょうか。
・本当に偶然見ただけ。
・雑草にきれいな花が咲いていているのを見つけるのが初めてだった。
など、タイミングもあるでしょう。
その中でも大きな理由は「りょうたの心が成長したから」だと思われます。
これまでもきっと、雑草が花を咲かせているのは見かけているはずです。
しかし、その存在に気づかなかった。
今回気づいたのは、りょうたが自然や草花に対して、「命がある」「きれい」と感じることができるようになったからです。
4年生の早い段階で「自然愛護」の教材が入っていることには、次のようなメッセージがあるのです。
『4年生になると、いろいろなことに気付く。植物にも命があること。植物も大切な存在であること。頑張って生きていること。そんなことを感じる心があなたにも育っている。自分の心を見つめて見ましょう。』
「りょうたは好奇心があってすごい」という単純な結論ではなく、「りょうたのような心が自分にもきっとある」と思えるような結論になるといいですね。
3 導入
T:教師 C:子ども
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