中学1年「雨の日の昇降口」【遵法精神、公徳心】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は
中学1年「雨の日の昇降口」【遵法精神、公徳心】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。
今日の記事で考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「遵法精神、公徳心」
目標・・・・法やきまりの意義を理解し、それらを進んで守るとともに、そのよりよい在り方について考え、自他の権利を大切にし、義務を果たして、規律ある安定した社会の実現に努めること。
「雨の日の昇降口」(光村図書)
金曜日、天気予報で午後からの降水確率は
80パーセントと言っていたのを思い出して、傘を持って行った。
昇降口の傘立てに、傘をおいた。
部活動が終わって帰り支度を済ませた生徒たちで
昇降口は賑やかになっていた。
傘立てに自分の傘がなかった。
傘を取られた。
同じクラスの田辺くんは
いつも傘を置きっぱなしにしていて傘はあった。
いっぽう、自分は、傘をきちんと持って帰っている
真面目な者が傘を取られ、ずぶ濡れになった。
とても腹立たしい気分だった。
そんなとき、傘を忘れたと言っていた山村くんが現れた。
傘立てに置いてあった、他人の傘を一本抜きだした。
山村くんは、傘をもう一本取り出すと、僕の目の前に突き出した。
僕が今朝持ってきたのにそっくりな黒い傘だったから傘に手を伸ばした。
しかし、僕は、傘を受け取らなかった。
「僕は、やっぱり傘いらない」
そう言って、雨の中を駆け出した。
2 内容項目と教材
解決策はいらない
1つだけ注意をしましょう。
「◯◯すればいい」と、方策を模索をしてはいけません。
道徳は、行為ではなく行為を生む心を考える教科です。
行為に注目して、方策を考えることは、
道徳的価値に迫る話し合いになりにくいからです。
例えば
「ぼく(杉本くん)はどうすればよかったのか」と聞くと、
・傘を教室に持っていけばよかった
・傘を借りて家に帰ったら、すぐに学校に持っていけばよかった
・雨が止むのを待てばよかった
などの意見が出てくるでしょう。
しかし、これは発問が悪いです。
「どうしたらいいか。」と聞くと、
方策を答えるしかないからです。
あるシチューエーションで
対処する策をを考えることは、
道徳の授業ではほとんど意味がありません。
状況によって正解は変わるし
なにより同じ状況にならないと
その学びは使えないからです。
そうであるなら「自他の権利を大切にする」
さらに発展して『自分も人も気持ちの良いルール』を
みんなで考えるほうが、
よりよい生活につながっていくことでしょう。
ポイントは想像力
「遵法精神」で大切なポイントはズバリ、想像力です。
・自分がこの行動をしたら、その後どうなるのか。
・みんなが同じ行動をしたら、どうなるのか。
と、まだ起こっていない未来を想像することが大切です。
「ぼく」は、みんなが使いやすい傘立てを想像して
先生の言葉を借りて、みんなに再度呼びかけています。
みんなのために
「よい未来」を考えていると言えます。
対して、田辺くんや他の傘を置いている子は
「めんどくさい」
「急な雨の時に困る」といった
自分本意な理由で傘を置いています。
これは、視野が狭く、
自分本位な行動と言わざるを得ません。
・傘立てに傘が溢れていると、みんな使いにくいこと
・自分の傘を探しにくくなること
これらのことを、田辺くんや傘を置いている人は
想像していなかったのです。
「ぼく」は、結局傘をささずに帰ります。
この時の「ぼく」の頭の中を考えてみるのも面白いですね。
・なぜ一度、傘を受け取ろうと思ったのか
・後悔する気持ちはないのか
自分の想像していた未来のために
自分が犠牲になったとも言えます。
この「想像力」は、
全ての規則(ルール、きまり)に言えることです。
例えば、『ろうかは走らない』というきまりがあったとします。
このきまりを守るために、どんなことを想像すればいいのでしょうか。
・次の角から、人が飛び出してくるかもしれない。
・走ったら転ぶかもしれない。
・教室から勢いよく出てきた人と避けきれずにぶつかってしまうかもしれない。
こういったことを想像して、きまりを守ろうという意識になるのです。
「遵法精神」は想像力
このことにまとめが収束していくといいですね。
3 導入
T:教師 C:子ども
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