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3年「ジュースのあきかん」【規則の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『3年「ジュースのあきかん」【規則の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「規則の尊重」の授業のポイントは、かんたんに言うと
「きまりを守る大切さ」です。

では、きまりは、なぜ守らないといけないのでしょうか。
子どもの立場なら、
・怒られるから
・先生が言ったから
などがあげられるでしょう。

しかし、これは外圧的なもので
罰などの強制力から、
きまりを守る心が生まれています。

果たして、きまりとは本当にそうあるべきなのでしょうか?

きまりについて、
教材解説で考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「規則の尊重」
3・4年の目標・・・・約束や社会のきまりの意義を理解し、それらを守ること。

3年生「規則の尊重」(日本文教出版)

あらすじ
あつしはお兄さんと電車に乗っていました。
途中で高校生ぐらいの男の人が、かんジュースをもって乗ってきました。
コトン。
男の人はジュースのあきかんを床に置くと、そのまま次の駅で降りて行きました。
電車が動き出すと、その空き缶はコロコロと床を転がり始めました。

ジュースがこぼれながら、男の人の足元にいきました。
男の人はひょいと足を上げてよけました。
すると、今度はあつしの方に転がってきました。
あつしは、かんをくつの先で軽くけりました。

空き缶は、女の人のところへ転がっていきました。
女の人はひょいとつまむと足元に立て、降りるときに駅のホームのゴミ箱に捨てました。

空き缶の音が、あつしの心にひびきました。

2 内容項目と教材

「規則の尊重」とは

「規則の尊重」は、文字通り規則について考える項目です。
規則と言っても、いろいろな言葉に言い換えることができます。
ルール、きまり、マナーなどですね。

特に、ルールとマナーは大きくちがいます。
ルールは明文化されていて、みんなが守るべき最低限の約束事であるのに対し、
マナーは明文化されておらず、状況や場所によって異なるものです。

今回の教材「ジュースのあきかん」で焦点が当たっているのは、
ルールでしょうか、マナーでしょうか。

この教材は、マナーについて考える教材と言えるでしょう。

マナーを守っていないのはだれか

この話で悪いのは、明らかに最初にジュースの缶を捨てた人です。
しかし、それはわかりきっていることなので、それは置いておきます。

缶を捨てた人は悪いことを前提として、
「他に」マナーを守っていない人がいないかを考えます。

足を上げた男の人はどうでしょうか。
缶をけった男の人はどうでしょうか。
女の人は最初からは拾っていません。
あつしのお兄さんは結局何もしていません。

マナー違反は、本当に缶を捨てた人だけでしょうか?

子どもたちと考えてみたいですね。

「べき」論で考えない

こういった話では、「◯◯は、□□するべきだ」という意見で終始してしまうことがあります。

・男の人は、缶を捨てるべきではなかった。
・最初に缶が転がってきた男の人は、缶を拾えばよかった。
・あつしは、男の人に注意をすればよかった。
・女の人に「ありがとう」といえばよかった。

こういったことは、言葉を選ばずに言うと「誰でも考えられる」ことばかりです。

いわゆる正論なので、これらのことを言えることは大事なのですが、
こんな発言をした子は、実際に同じ状況になったときに
自分も同じ行動をできるでしょうか。

本音と建前の、「建前」の意見になっていないでしょうか。

「知っている」でも「できない」というジレンマが、
人間はだれしも抱える悩みですから、
正論ばかりを出しても、子どもの心には響かないでしょう。

「マナーを守らないとどうなるか」を考える

では、どのように授業を考えればよいのか。

「缶を捨てる」というマナーを守らなかったら、
電車の中に缶がコロコロ転がるという事態になりました。

その場にいるだれもが、
「自分のところにはきてほしくないな」
「だれか拾ってくれないかな」
と思ったことでしょう。

人は、結局「自分」のことが大事です。
電車の中でも、余計なことをしたくないし、
面倒なことに関わりたくないという気持ちは同じです。

その心が、最初の男の人の「足を上げる」という動作に表れているし、
あつしの「缶をける」という行為に表れています。

マナーを守らないということは、
その場の空気が悪くなる。
みんなが安心・安全でなくなる。

このことが押さえられると、授業のポイントは押さえたと言えます。

女の人がなぜ拾ったのか。
そこまで考えてもいいですが、大事なのはその前段階です。
缶が床にコロコロ転がるあの時間。
マナーを守らない人がいることで生まれた、
あの「だれかしてほしい」という空気感。

あの気まずい感覚にならないために、
マナーが必要だと考えさせるほうがよいでしょう。

3 導入

T:教師 C:子ども

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