見出し画像

5年「のび太に学ぼう」【よりよく生きる喜び】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『5年「のび太に学ぼう」【よりよく生きる喜び】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「よりよく生きる喜び」
この内容項目は難しいんですよね~。
5・6年(高学年)にしかない内容で、
教材も1つか2つしかない。

授業をした後で、
「結局、なんだったの?」と
手ごたえなしで終わることが多いですよね。

今日は、「のび太に学ぼう」という教材をもとにして、
この難しい内容項目を解説します!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
『よりよく生きる喜び』
5・6年の目標・・・よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し、人間として生きる喜びを感じること

5年生「のび太に学ぼう」(日本文教出版)

あらすじ

のび太は「ドラえもん」に出てくる男の子です。
スポーツも勉強も苦手で、何をやってもうまくいきません。

でも、そんなのび太にもすてきなところがあると思いませんか。

・いつまでも落ち込まない。
・だれにでもやさしい。
・熱い心をもっている。
・よりよく生きようとする。

弱い面もあるけど、前を向いて生きようとするのび太。
のび太の生き方に、幸せに生きるためのヒントがあるかもしれません。

2 内容項目と教材

この教材は、5年生の道徳で最初の教材です。

「よりよく生きる喜び」という考える視点がたくさんある内容項目を、
1つ目に配当するなんて、粋なことをしますね、日本文教出版さん!

ドラえもんやのび太は、子どもたちにとって今でも身近なアニメでしょうから、もはや説明は不要でしょう。

しかし、そんな国民的アニメでみんなが知っている人だからこそ、
「のび太」のイメージは人それぞれです。

子どもたちはきっと、のび太にスポットを当ててじっくり考えたことはないでしょう。

それぞれがのび太にもっているイメージを共有し、それから教科書で新しいのび太を見る視点を得られるようにしましょう。

そうすることで、「視点の広がり」を実感することができます。

実は、その「視点の広がり」が、これからの道徳でとても大事なのです。

「自分は○○だと思っていたけど、●●のような考えもあるんだ」

こう思えるということは、視点が広がっているということです。

その感覚を、自分で認識することができれば、1回目の道徳としては100点です。


もう一度言います。

【授業の流れ】
①のび太について知っていることからイメージを出し合う。
②教科書でのび太について見る視点を知る。
③自分の知らなかったのび太を確認する。

のび太を見る新しい視点を得ることができるはずです。

大事なのはそのときです。

「○○だと思っていたけど●●だと考えが広がった」と実感できるようにしましょう。

その後の展開としては、のび太の長所・短所を出し合ったり、のび太の目標について考えたりするといいですね。

①のび太の長所と短所を話し合う

黒板を真ん中で区切り、左右で長所、短所を分けて書きましょう。
短所が多かったら長所を、長所が多かったら短所を引き出します。

こうすることで、子どもの思考は自然と「のび太のいいところ探し」になっていきます。

知ってはいたけど、長所についてはじっくり考えたことがなかった、という子が多いでしょう。

だからこそ、「いいところ探し」は意味があります。

なぜかというと、その思考は生活へとつながり、「友達のいいところ探し」へとつながっていくからです。

いいところを見つけようとする思考を、のび太を通して活性化させると、自然と友達のいいところも見えてきます。

その後に、学活などで「他己紹介」「仲良くなるためのゲーム」などをすると、学級づくりの時期にはとても有効ですね!

②のび太の目標を話し合う

のび太は、何を目標にしているのでしょうか?

「今のままでいい」と思っているのであれば、『熱い心をもっている』『よりよく生きようとする』ようなセリフは出てこないでしょう。

じゃあ、のび太の目標は?と聞いてみます。

ここが、子どもの「うーん・・・」と考えるポイントです。

道徳は、先生が聞いてすぐに手が挙がる発問ばかりでは、子どもの思考は活性化しません。

ときには、大人でも難しいような発問をぶつけて、「うーん・・・・」と考え込む時間が必要です。

その「うーん・・・・」には、

・今までそんなこと、考えたこともなかったぞ。
・よく考えてみたら、当たり前は当たり前じゃないのかもしれない。
・なんだか考えたら、意見が整理できそうな気がする。

こんなことが詰まっています。

その時、授業者はじっと待ちましょう。

「発言が出ないのは悪い授業」という心理が働くのか、
『なんでもいいから言ってね』
『ワークシートに書いたことを読むだけでもいいよ』と
とにかく発言させて授業を進めようとしてしまいます。

でも、大人でもじっくり考えたいときは、静かな時間がほしくないですか?

子どもも同じです。

手が上がらない、発言がないからと言って、焦る必要はありません。

難しい発問を投げかけたら、「うーん・・・」となる子どもの姿があったら、待ちましょう。

その「待つ」時間に、子どもに思考力はぐんぐん伸びているのです。

3 導入

T:教師 C:子ども

ここから先は

1,773字

¥ 1,000

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?