道徳1年「はしのうえのおおかみ」【親切、思いやり】の指導案はこうする!<9月教材>
こんにちは。
今日は
『道徳1年「はしのうえのおおかみ」
【親切、思いやり】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
『はしの上のおおかみ』は
ほぼ全ての教科書会社で取り扱われている定番教材です。
知っている人、実践された人、
研究授業でしっかりと研究した人もいることでしょう。
定番教材なので、ある程度実践の型は
決まってきているように感じますが、
本当にそれが子どものためになっているか、
立ち止まって考えてみる必要があります。
定番教材に臆せず、立ち向かっていきましょう!
では、解説です!!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
B 主として人との関わりに関すること
「親切、思いやり」
1・2年生の目標・・・身近にいる人に温かい心で接し、親切にすること
1年生「はしのうえのおおかみ」(日本文教出版)
「はしのうえのおおかみ」あらすじ
一本橋をおおかみが渡ろうとしています。 うさぎやきつね、たぬきが通ろうとすると、 「もどれもどれ。」とどなって 自分が先に通りました。
ある日、おおかみがいつものように渡ろうとすると おおきなくまが渡ってきました。 おおかみは下がって譲ろうとしましたが、 くまは、おおかみを持ち上げて後ろにそっと下ろしました。
次の日、おおかみはうさぎにも 同じように体を持ち上げて、後ろにそっと下ろしました。
不思議なことにおおかみは前よりずっといい気持ちでした。
2 内容項目と教材
「はしのうえのおおかみ」の内容項目は「親切、思いやり」です。
内容項目を分解すると、「親切」と「思いやり」ですね。
それぞれの意味は….
親切は行為、思いやりは心です。
親切な行動とは言いますが、
思いやりの行動とは言いません。
「思いやりのある」行動と言いますよね。
つまり、思いやりは心なんです。
「親切、思いやり」の教材は、
どちらか重点を決めて授業をしましょう。
つまり、「親切」か「思いやり」か
重点はどちらなのか教材から考えるということです。
「親切、思いやり」の教材は
その両方を追究するようにはなっていません。
どちらかに軸足が必ず置かれています。
それをどちらなのか、考えましょうということです。
『はしの上のおおかみ』では、
「親切」に重点が置かれています。
ここでは親切を重点として話を進めて行きます。
かといって、「思いやり」に重点を置いて
間違いと言うわけではありません。
「授業者が重点を決める」ことが大切なのです。
役割演技
『はしの上のおおかみ』の授業では、
役割演技がよく用いられます。
教師はくま、子どもはおおかみになり、
おおかみの気持ちを感じさせることがねらいです。
役割演技で実際に動いて
気持ちを実感する活動はとても大切です。
ただ、注意してほしいことがあります。
それは、
「役割演技が動作化しないようにする」ことです。
役割演技は、役になりきることで、
その気持ちを感じることがねらいです。
時にはアドリブもあるでしょう。
アドリブができるということは、
その役になりきっているということなのです。
動作化は違います。
ただ動きを真似るだけです。
話をなぞるだけで、ただ動作をつけて、
当たり前の気持ちを確認するだけでは、
道徳性を深める目的に向かっているとは言えません。
動作化にならないために、くま役の教師も役になりきって
発問することが大切です。
道徳では黒板の使い方は自由です。
これまで慣例となっていた縦書きの
川流し型の板書が悪いわけではないですが、
子どもの思考を広げる観点では、
川流し型以外が有効なことが多いです。
多くの板書の型がありますが、
『はしの上のおおかみ』は関係整理型がいいでしょう。
図のとおりです。
このように、関係図を書くことで、
見えてくるものがあります。
おおかみの1回目と2回目のうさぎに対する行為の違いは何か、
それを生む心の違いは何かを考えやすくなります。
教科書に書かれていない
道徳的価値に気付くことができます。
それが、「多面的・多角的に見る」ということなのです。
また、1年生という発達段階から、
言葉で表現するよりは、
「どんな顔をしていると思う?」と
表情を書くようにするといいでしょう。
表情で考えの根拠を作り、
それを元に発表することで、
子どもは考えを言いやすくなります。
この図では、おおかみの1回目の表情を空けています。
どんな顔になると思いますか?
また、なぜ2回目は笑顔になったんですか?
他に笑顔はありますか?
なんだか気付いたら言いたくなってきませんか?
子どもに聞いてみたくなってきませんか?
ところで、おおかみはくまに優しくされましたが、
うさぎに同じことをしたのはなぜでしょうか?
自分が親切の恩恵を受けていれば、
他の人にする必要はないのではないのでしょうか。
ここが「当たり前」だと思って見過ごしているポイントです。
おおかみは、くまからもらった親切を
当然うれしく思っています。
そして、その親切は自分だけでもっているのはもったいなくて、
他の人にも同じように親切にして、
その気持ちを味わってほしいと思っています。
これが、「親切」のもつ本質的な良さです。
自分がされたら、他の人にもしたくなる。
つまり、親切はリレーのバトンのようなものなのです。
人から人へ受け継がれていく。
「つなぐ」も親切のキーワードです。
これを知っておくと、子どもが気付いた時、
「なるほど!」と言ってあげられそうですね!
3 導入
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