中学1年「傍観者でいいのか」【自主、自立、自由と責任】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は
中学1年「傍観者でいいのか」【自主、自立、自由と責任】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。
小学校ではこの内容項目は
「正直、誠実」と表されています。
正直と誠実、よく似た言葉ですね。
この2つは、どうちがうのでしょうか?
2つの言葉の違いを説明できる人は、
道徳マスターと言っていいでしょう!
この2つの言葉の違いを押えると、
「正直、誠実」の内容項目の
授業づくりが一気に楽しくなります。
正直と誠実の違い、
考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「自主、自立、自由と責任」
目標・・・・・自律の精神を重んじ、自主的に考え、判断し、誠実に実行してその結果に責任をもつこと。
「傍観者でいいのか」(東京書籍)
2 内容項目と教材
・正直、誠実それぞれどのような意味でしょうか。
それぞれ広辞苑では次のような意味です。
正直・・・心が正しく素直なこと
誠実・・・真面目で真心がこもっていること
・うーん、言葉の意味はこのようになっていますが、
この言葉をどのように授業で使えばいいのでしょうか。
・結論を言います。順番が大切なのです。
正直は、行動→言葉。
誠実は、言葉→行動なのです。
・正直とは何でしょうか。
「正直に言いましょう。」等と使いますね。
これは、自分の行った行動を、
ウソいつわりなく言葉で表現しましょう、という意味です。
・これは、行動が先にあって、そのあとに言葉がある。
行動→言葉ですね。
・もっと具体的に考えてみます。
ある日、教室でAくんが花瓶を割ってしまい、
先生に見つかりました。
・先生は「何があったか正直に言ってごらん。」と言います。
するとAくんは
「遊んでいて、手が当たって花瓶を割ってしまいました。ごめんなさい。」
と言いました。
Aくんは正直でしょうか?
・これは、「花瓶を割ってしまった」(行動)Aくんは、
自分の行いを謝る(言葉)という流れです。
行動→言葉の流れのことを「正直」と呼ぶのです。
・対して「誠実」はどうでしょうか。
正直と似ていますが、「正直に言いましょう。」のように
「誠実に言いましょう。」とは言いませんよね。
・これは、先に言葉があるからなのです。
例えば約束を守る人。
この人は誠実と呼べるでしょう。
・「約束をする」(言葉)行為の後に、「守る」(行動)があるという流れです。
言葉→行動、ですね。
・発した言葉やルールに基づいて行動をすることを、
誠実と呼ぶのです。
・話を戻します。指導要領には「正直、誠実」と
書いてあります。
・これは、順番が大切です。「誠実、正直」とは
なっていないことがポイントです。
・正直は、行動が先でした。
「正直」が先にくるということは、
指導要領では、「まず行動することが大切。」と言っているのです。
・まずは行動をして、言葉で後から補足する。
言葉を先に言って行動するよりも、
まずは先にいいと思うことをやってみましょう。
・動いてみて、初めて分かることがあるんです。
ここまでは拡大解釈かもしれませんが、
実際に教材研究をする際には、
「この教材は、正直に重きを置いているのか、
背実に重きを置いているのか。」を軸として考えましょう。
・1つの教材で両方を大切に扱っているものはほとんどありません。
たいていは正直か誠実、どちらかの色が濃くなっています。
・そして、正直なら正直、誠実なら誠実、重点がどちらか分かったら
その行動をしている人物に焦点を当てて、発問を作ります。
・教材を見てみましょう。
「傍観者でいいのか」は、
正直でしょうか、誠実でしょうか。
・登場人物はわたし、Aさん、Bさん、Cさんが主な人です。
状況を整理するために、関係整理図を書きましょう。
・見えないものが見えてきます。
・AさんとBさんの関係を「わたし」は注意するべきだったのでしょうか。
建前だと「学級員として注意するべき」となるのでしょうが
実際のところは、注意すると、自分がAさんのようになる可能性もあり、つい尻込みしてしまうのではないでしょうか。
・自分がターゲットになる、ならないということは関係ないところで
「わたし」の気持ちが揺れ動いていたのでしょうか。
・Cさんはなぜ、「Aさんをこれ以上放っておけない」と言ったのでしょうか。
モヤモヤするぐらいなら、もっと早く言えばよかったのにと思う子もいるでしょう。
・「わたし」は、たくさんの思いを抱えています。
☆Cさんの行動で、Aさんの思いがわかった。
☆黙っていることにもやもやする。
☆学級委員として黙っておくのは嫌だ。
・これらを全て授業で表現することはむずかしいでしょうが、
「わたし」の葛藤の要素を、授業者は押えておく必要があります。
・AさんがCさんに打ち明けたのは、なぜでしょうか。
・Aさんは、なぜ先生に相談しなかったのでしょうか。
・本当のところはわかりませんが、
Aさんの気持ちになると、両方の立場から意見が出てくるでしょう。
・◯◯が正解、と結論づけることが目的ではなく、
双方の立場からの意見を聞いて、
考えの幅を広げることが目的です。
・登場人物の関係を整理しながら、
本当の正直な心について、
考えを深めていきたいですね。
3 導入
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