5年「世界最強の車いすテニスプレーヤー ー国枝慎吾」【希望と勇気、努力と強い意志】の指導案はこうする!
こんにちは。
5年「世界最強の車いすテニスプレーヤー ー国枝慎吾」【希望と勇気、努力と強い意志】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。
希望をもつ。
勇気がわいてくる。
努力は裏切らない。
などなど、
今日の内容項目を扱った
名言は世の中にたくさんあります。
ということは、
そこに道徳的要素がたくさん詰まっている!
ということですね。
でも、
希望と勇気の関係って?
努力と強い意志はどうちがう?
と聞かれると、
改めて考えたことはないので、
「うーん・・・」となると思います。
今日は、「希望と勇気、努力と強い意志」について
じっくり考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「希望と勇気、努力と強い意志」
5・6年の目標・・・・
より高い目標を立て、希望と勇気をもち、
困難があってもくじけずに努力して物事をやり抜くこと。
5年生「世界最強の車いすテニスプレーヤー ー国枝慎吾」
(光村図書)
「世界最強の車いすテニスプレーヤー ー国枝慎吾」あらすじ
スイミングでライバルに勝てないぼく。
「もう、やってられないな」と水泳に対するやる気も萎んだ。
そのとき、テレビで国枝選手を特集した番組がはじまった。
ーー
国枝選手は、パラリンピックの車いすテニスで史上初めて2連覇した。
国枝選手は九歳のとき、重い病気にかかり、車いす生活となった。
11歳のとき、たまたま家の近くにテニスの研修センターがあったことがきっかけでテニスを始めた。
高校生のころ、海外に行った国枝選手は、プロの車いすプレーヤーの存在を知り、自分も活躍するという目標を持った。
国枝選手の強さのひみつは、初心者がするような基本的な練習を繰り返し行うこと。
今まで、相手に勝つことを考え、ついに世界最強のプロ車いすテニスプレーヤーとなった国枝選手は、自分をみつめなおしたら、まだやるべきことが見つかった。
「ライバルは他のだれでもない。一日前の自分」
ーー
番組を見終わるとぼくは、
「よし、やるしかないな」と声にだした。。
2 内容項目と教材
・これはそれぞれ前半と後半でペアを作って理解しましょう。
つまり、「希望と勇気」で1セット、「努力と強い意志」で1セットです。
・まずは「希望と勇気」について解説します。
人が希望をもつ時というのは、どんな時でしょうか。
☆例えばプロ野球選手になりたい、
☆いつまでも元気に生きたい
などが、希望の例としてあげられます。
・では、勇気をもつ時というのはどんな時でしょうか。
☆勇気を出して好きな人に声をかける。
☆勇気を出して試験に挑戦する。
・つまり勇気とは、何かしらの目標に向かう強い気持ちと言えます。
・勇気はゴールがあるから発揮できるのです。
そのゴール地点や付近のことを、希望と呼ぶのです。
・希望があるから勇気がでる。
希望のない勇気は、ただなりふりかまわず
勢いで行動しているだけです。
それは、道徳的価値が高い行動とは言えません。
・続いて、「努力と強い意志」です。
これは「希望と勇気」によく似ています。
努力をしている時はたいてい、
目標に向かって頑張っていることのことを指すはずです。
・時々、このような言葉を聞きます。
「あの人は努力家だ。」
仮にその人が努力家だったとしましょう。
・それは、いつの時点でそう言えるのでしょうか。
1回の頑張り? 1週間続けたら努力家?
・「いやいや、1年は最低続けないと,努力したとは言えないでしょ。」
と言う人もいそうです。
・努力の内容によりますので、一概には言えませんが、
共通しているのは、
『短い期間だけ頑張っても,それは「努力」をしているとは言えない。』
ということです。
・努力とは長い期間頑張ることを指します。
その長い期間、気持ちが折れることなく、
頑張り続けることができたのはなぜでしょうか。
・自分自身が「目標を絶対に達成するぞ。」と思っていたからでしょう。
つまり、努力とは強い意志によって支えられるものなのです。
・このように、「希望と勇気」、「努力と強い意志」は
それぞれ1セットなのです。
・教材研究では、
①「希望と勇気」か「努力と強い意志」か、どちらが重点の教材か見極める。
②仮に「希望と勇気」だとしたら、
『希望』はどの人のどの心か、『勇気』はどの人のどの心なのかを考える。
(※「努力と強い意志」でも同じ)
③『希望』『勇気』それぞれについて発問を考える。
という流れに沿って行うと、本質を捉えた授業ができます。
・では、今回の教材は、
「希望と勇気」「努力と強い意志」のどちらでしょうか?
どちらに重きを置いても、授業は成立しそうですね。
・今回は、国枝選手の「努力と強い意志」に
焦点を当てて授業を組み立てることにします。
・国枝選手は、努力をしたでしょうか。
もちろんYesですね。
目標のために努力をしているのは、自明のことです。
・では、国枝選手は、なにを目標にしたから
「強い意志」があったのでしょうか。
・『世界一になりたい』という目標が
思い浮かぶでしょうが、
もうちょっと踏み込みたいですね。
・それなら、世界一になったら
目標を達成しているのですから
努力する必要はなさそうです。
・国枝選手の目指す姿ををはっきりさせると、
その過程の「努力」の正しい在り方が見えてきそうです。
・また、中心場面として、
世界一になった瞬間が候補に上がるでしょうが
この一部分だけを切り取っても、
あまり道徳的な価値は深まりません。
・それまでの国枝選手の努力の積み重ねが、
全て1つにつながった一瞬の場面でしかないからです。
・物語全体をとおして、国枝選手の努力の過程を
子どもとともに考える展開がよいでしょう。
・また、国枝選手だけでなく、
視点を変えて「ぼく」にも目を向けるのも大切です。
「ぼく」の視点から
国枝選手の存在を考えることで、
見方が広がります。
・「視点を限定しない」は授業展開と発問を考える上で
基本中の基本ですよ!
『発問の視点は1つに絞りなさい』と指導する人がいたら、
それは古い道徳ですので、無視して構いません。
・そんな人には、わたしの記事を読んでもらってください。
道徳の発問を考えるために大切な、たった1つの考え方
・このような偉人の作品は、
とにかく自分事として考えることが難しいです。
遠い国の遠い時代の、すごい人の出来事だ
という思いから抜け出せないことが、
いつも課題としてあがります。
・それを防ぐために、
教科書に書かれていないことを考えたり、
批判的な思考を促したりする、という
方法があります。
いずれも、発問によって促せます。
3 導入
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