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4年「あなたの時間にいのちをふきこめば」【生命の尊さ】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『4年「あなたの時間にいのちをふきこめば」【生命の尊さ】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。


『生命の尊さ』は、今回の指導要領改定の目玉の1つで、
重点項目として扱われている教科書が多いです。
背景には道徳の教科化のもとになった
「いじめの問題」があります。

この『生命の尊さ』をとおして、
自分だけでなく、
身近な人や自然の命の尊さについて
深く考える経験をさせたいですね。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「生命の尊さ」
3・4年の目標・・・・生命の尊さを知り、生命あるものを大切にすること。

4年生「あなたの時間にいのちをふきこめば」(日本文教出版)

あらすじ
医者として多くの人の「いのち」に向き合った日野原重明先生。

1911年、山口県生まれ。
小学4年生のときに病気になり3ヶ月学校を休んだ。その後、母も病気になり、自分と母を診てくださった先生のような医者になりたいと思う。

20才のときに医学部に入学したが、結核という病気で一年間、ただただ寝ているだけの生活をする。

大学を卒業して58才のころ。飛行機の事件に巻き込まれ、3日間も閉じ込められた。「このまま死ぬのではないか。」と思ったが、命は助かった。「この命は与えられた命。生きることをゆるされた第二の人生を自分以外のことにささげたい。」と考えた。

医者の仕事以外に、たくさんのことをした。
62才で健康を呼びかける運動。
80才で緊急時に役立つ機械を病院に設置。
92才からは日本各地の学校で「いのちのじゅぎょう」をした。
そこで語られたのが次の言葉。

「『いのち』をどう使うか考えよう。自分のためだけに使うのではなしに、だれかのために自分の時間を使う。
あなたの時間にいのちをふきこめば、その時間は生きてくる。」

日野原先生は、2017年7月18日、105才で静かに旅立った。

2 内容項目と教材

4年生最初の教材は、Dの視点「生命の尊さ」から始まります。
「生命の尊さ」に重きを置いているのは、『いじめ対策』でもあります。

この教材で、1年間ひとときも忘れてほしくない
『命の大切さ』についてじっくり考えましょう。

日野原先生が医者として活躍するきっかけとなったのが、
小学校4年生のとき、病気で3ヶ月休んだこと。

このことを4年生に身近に感じてほしいから、この教材が4年生に選ばれたのでしょう。

4年生最初の道徳ですから、あまり難しくしても子どもの興味は高められません。
シンプルでちょっとだけ考えるような授業展開を心がけましょう。

発問は、大きく2つに絞ります。
①題名『あなたの時間にいのちをふきこめば』の後には、どんな言葉が続くだろう。
②命が吹き込まれない時間は、どんな時間なのだろう。

この2つにポイントを絞って、派生して小発問をつくる程度にとどめましょう。


詳しく見ていきます。

①題名『あなたの時間にいのちをふきこめば』の後には、どんな言葉が続くだろう。
道徳の発問に困ったときに、『題名を考える』という視点があります。
国語的なアプローチですが、道徳でも有効な手段です。

この題名は、日野原先生が講演で言った言葉です。
そして、「あなたの時間にいのちをふきこめば、その時間は生きてくる。」という答えまで書かれています。
でも、これを当てるクイズではありません。

この先の言葉を自分なりに考えることで、日野原先生が伝えたかった言葉を、自分なりに解釈するのです。
また、この言葉を足がかりにして、時間・命について自分の考えを固めることになるのです。

例えば、次のような活動のアイディアがあります。
◯教材を読む前に、「あなたの時間にいのちをふきこめば」と黒板に書き、続きを考える。
※この活動で20分ぐらいとってもいいですね。道徳=教科書を使わないといけない!という概念をくつがえせるし、「この先生の道徳は面白そうだ!」と子どもは思います。

◯日野原先生になったつもりで、「あなたの時間にいのちをふきこめば」の続きを、オリジナルの言葉で考える。その根拠となる考えも一緒に伝える。

題名について考えるだけでも、十分道徳的な思考ができますよ!


②命が吹き込まれない時間は、どんな時間なのだろう。

逆の立場に立ったヘリクツな発問です。
しかし、この発問を考えるには、日野原先生の考えを理解しておかなければできません。

この発問をすると、子どもの頭の中は次のようになります。
・命がふきこまれるってどういうことだろう。

・人のために時間を使うのか。

・命がふきこまれないってことは、人のために時間を使わないこと。

・それは自分勝手ではないのか。

というように、日野原先生の考えをもとに考えざるをえないのです。

ヘリクツな発問を1時目からすることで、
「この先生の道徳はなんだか面白いぞ!」
「難しいけど考えてみたいな!」という気持ちを高めることにつながります。

決して子どもを追い込まず、特に1時目は子どもの意見を「受容」することに徹しましょう。

この1年で、35時間の道徳で、子どもの思考は確実に伸びていきます。
1〜3年で培った道徳的思考をさらに伸ばす1年になる、
いいスタートの1時間になるといいですね!

3 導入

T:教師 C:子ども

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